2000年にDIPを創業してから20数年が経過しました。その間、世の中はIT化・デジタル化による生活の変革(DX)の波が、どの業界にも、人々のライフスタイルにも押し寄せています。
例えば音楽エンタメ業界が顕著ですが、レコード → カセットテープ → CD → MD → MP3 → ダウンロードというようにデジタルを象徴するダウンサイジングが表れています。しかし、建築業界のIT化は全くと言っていいほど進んでいません。車は自動運転になり、デジタル通貨やAIが波及し効率化・ロボット化が進む中、建築は何十年も前の工法で家を造っています。
しかし、私たち人間ができるのは0から1を創ること。何も描かれていない白紙のキャンバスに、人間の思考による1本の線を引くことが建築家、デザイナーのこれからの役割です。建築資材の高騰や職人不足、IT・デジタル化の加速は、人々の生活をより小さく、よりシンプルにしていきます。モノを持たず、手間をかけずに過ごすようになると、家もミニマムなサイズが求められるようになるでしょう。常識に囚われず、型式化せずに人々の希望に寄り添っていきます。
そして、DIPが10年先のゴールとして向かうのは、家づくりから派生するQOL(クオリティ・オブ・ライフ)のコーディネートです。「何よりも大切にすべきは、ただ生きるのではなく、よく生きること」「より多く」よりも「より良く」「物質的な豊かさに満たされた生活」よりも「毎日が充実し、心身が満たされた生活」
家づくり、お店づくりを主軸にしながら、世の中の人が本当に必要とする住衣食+αで心身を満たすことがDIPの目標です。