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くつろぎ、とは・・・ 軽井沢にて
2014年03月28日
初春の軽井沢です。まだ山間や平地に雪が残り寒さのせいか結晶化していました。
2005年のオープンから9年。当時の新建築に掲載された 「星のや軽井沢」 は私にとっても記憶の片鱗に残る建物でした。
「日本にこんなコンセプトで建物を造る人がいるんだ」と感じたのを憶えています。
しつらえられたインテリアや 建築、外構デザイン、もてなし(サービス)は素晴らしいものでした。
奇をてらいすぎず、非日常的でありながら、もう何日も過ごしているかのような感覚になるのは長期滞在を想定したつくりが故のことかもしれません。
わたしが一番つよく感じたのは「広さ と くつろぎ 」 の関係でした。
滞在中お世話になった水波の部屋はおよそ17坪から20坪の広さ。
リビングからのびるテラスは約4畳ほどでしょうか。決して大きくはありません。
しかし、床座のソファー、ローテーブル、縦横に組まれた手摺子の開放性がくつろぎを与えてくれます。
ロケーションの効果もありますが部屋の中を、歩いたり、立ったり、座ったり、横になったり、人が日常、室内で行う行為に少し変化を与えると、 変化というのはその行為をする場所での「物語」を考えてあげると、人の気持ちも変わってゆくのだと思っています。
「この場所では風は少し冷たいけれど、陽当たりのいい日に
ハーブティーを飲みながら
文庫本を読んでもらおう。
そして眠くなったら
足を投げ出してお昼寝をしよう。
眠りから覚めたら、遠い山間の木々を見て、
目と気持ちを休め
今度は少し濃いめの珈琲を飲もう。」
クライアントとデザイナーはこのテラスを舞台にした物語をこんな風に考えていたのかもしれません。
もちろん、同じ空間でも、物語は人それぞれ感じ方が違うでしょうけれど。
何坪以上なくては狭い・・・、何畳以上なくては使いづらい・・・、快適では無い・・。
このような思想も間違いではありませんが、くつろぎや癒しの空間は広さだけでは決まらないと考えています。
星のや軽井沢 http://www.hoshinoyakaruizawa.com/
軽井沢のもうひとつの目的は千住博美術館を訪ねる事でした。
ウォーターフォールもよかったですが、文章のない絵本が印象的でした。
やはり物語を感じさせる、物語の入り口に居るかのような作品は興味深いです。
今回の軽井沢で一番素材の味が楽しめた(美味しかった)のがこのビラデスト・ガーデンファーム・ワイナリーのレストランでした。
玉村さんご自身はボタニカルアートではないと言ってらっしゃると聞いたことがありますが、アケビの深鉢を購入してみました。
ダイニングテーブルのなかにちょっとだけ、ボタニカルシリーズがあっても食卓が美しくなると思います。
ウ”ィラデスト・ガーデンファームワイナリー http://www.villadest.com/