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素材探求の旅 宮城 DATE-KANSTONE
2019年08月30日
皆様、お変わりなく元気にお過ごしでしょうか。5か月ぶりの建築日記ですが私もDIPもスタッフも大変忙しく、日々設計とデザインと打ち合わせと現場を東奔西走して作品創りを進めさせていただいております。
盛夏の8月に宮城県に行ってきました。理由は、どうしても使いたいSTONE「石」があったので。
原石の採掘場や加工仕上げ場も拝見しましたが、最大の目的は間もなく完成する建築の、重要なアート作品(Art work)になる石を選定するためです。
伊達冠石は安山岩に属する火成岩で、写真のように表面は茶褐色のようなタンカラーのベルベットのような独特の色具合です。ご案内いただいた村上統括マネージャーによるとマグマの鉄分が2000万年の月日を経て酸化し、それによって表面が鉄褐色を帯びているそうです。しかし、内部は漆黒色なんですね。原石も拝見しましたが一つの単語では表現できないくらい、様相と文様がすべて異なる、しかし味わいのある素材ばかりでした。
8月末に完成するこの「森へひらく平屋」アプローチエントランスに景石として使用いたします。
原石のまま使いますので景石とは言わないかもしれませんが、村上マネージャーと高木さんのお蔭で素晴らしい形と表面色の原石を見つける事ができました。
私の好きな、イサムノグチやヨウジヤマモトも、この石とつながっている事が冠石に敬愛の気持ちを抱く理由です。
そもそも石はプリミティブ(原始的、未発達、粗野)な素材です。
しかし、工業化され均一化した建材や素材は悪くはないけれど、それだけでは叙情的ではないですね。
栃木県にも大谷石をはじめ、三毳石、芦野石、岩船石、など良質な石素材があります。
どの石もデザインし、使わせていただいておりますが、伊達冠石は他の素材にはない、圧倒的なプリミティブさと、それゆえに建築家・彫刻家たちアーティストの創作に対する探求心を刺激する「stone」なのです。