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【意外と知らない】神棚の配置や並べ方、仏壇との違いを解説
公開日 2022年05月30日
最終更新日 2026年09月14日

「神棚は家のどこに置くのが正解なの?」
「どうして家に神棚をお祀りするの?」
家に神棚をお祀りすることになったものの、これまでまったく縁がなく、どのようにお祀りすればよいのか不安な方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、神棚をお祀りする目的や配置、祀り方について紹介します。また、同じく家の中に祀られる仏壇との違いについても詳しく解説します。
神棚や仏壇には、さまざまな作法や決まりごとがあり、難しそうに感じるかもしれません。しかし、基本的な考え方を理解すれば、日々のお参りやお手入れは決して難しいものではありません。
具体的なお手入れ方法も紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
神棚と仏壇はお祀りする対象や目的が異なる
はじめに、神棚と仏壇についての基礎知識を説明します。
神棚は神様、仏壇は仏様
神棚でお祀りする対象は神様です。神棚は、神社でいただいた神札(おふだ)をお祀りするために設けられます。神札は神様のしるしとされ、家庭では大切にお祀りします。
家庭に神棚を設ける習慣が広まった背景には、江戸時代に盛んになった伊勢参りや、伊勢神宮の神札が各地に配られるようになったことがあるとされています。人々は神札を家にお祀りし、家内安全や子孫繁栄などを願うようになりました。
仏壇でお祀りする対象は、ご本尊やご先祖様です。仏壇には、宗派に応じた仏像や掛け軸、先祖の位牌などを安置します。仏像を個人でお祀りすることは古くから行われていましたが、一般家庭に仏壇が広く普及したのは、檀家制度が整えられた江戸時代とされています。
それぞれの拝み方
神棚では、一般的に神社と同じ「二拝二拍手一拝」の作法で拝みます。
- 深い礼を2回します。
- 胸の高さで両手を合わせ、拍手を2回します。
- 両手を合わせたまま、神様に感謝や願いを伝えます。
- 最後に深い礼を1回します。
毎日拝む場合は、朝夕に行うのがよいとされています。ただし、無理のない範囲で習慣にすることが大切です。
次に、仏壇での基本的な拝み方を紹介します。
- 仏壇の前で一礼します。
- 必要に応じてお供え物を供えます。
- ろうそくに火をともし、線香に火をつけて香炉に供えます。
- 必要に応じてりんを鳴らし、合掌します。
- お参りを終えたら一礼し、火を安全に消します。
線香の本数や立て方、りんを鳴らすタイミングなどは宗派によって異なります。詳しい作法については、菩提寺などに確認するとよいでしょう。また、火を消す際は息を吹きかけず、手であおぐか専用の火消しを使います。
仏壇も朝夕にお参りするのがよいとされていますが、家庭の生活に合わせて無理なく続けましょう。
お祀りしている目的
神棚を家にお祀りする目的は、神様への感謝を伝え、家内安全や家族の健康などを祈願することです。
仏壇を家にお祀りする目的は、ご本尊を礼拝するとともに、ご先祖様を供養し、感謝の気持ちを伝えることです。
日本では古くから、家庭に神棚や仏壇を設けて手を合わせてきました。神様や仏様、ご先祖様に日々の感謝を伝え、家族の安全や穏やかな暮らしを願う習慣として受け継がれています。
神棚・仏壇はどこに配置する?
ここでは、神棚と仏壇の配置の仕方を詳しく説明します。
神棚は南向きまたは東向き、仏壇は北向きを避ける
神棚と仏壇は、どちらも明るく清潔で、家族が毎日お参りしやすい場所に配置するとよいでしょう。
神棚は、正面が南または東を向くように配置するのが一般的です。ただし、住宅の間取りによって難しい場合は、方角にこだわりすぎず、清潔でお参りしやすい場所を優先します。
仏壇を配置する方角には諸説あり、宗派によっても考え方が異なります。北向きを避けるという考え方もありますが、方角に決まりがない宗派もあるため、気になる場合は菩提寺に確認するとよいでしょう。
神棚は明るく清浄、できるだけ高い場所
神棚をお祀りする場所のポイントは、次の5つです。
- 明るい場所
- 清潔な場所
- 毎日お参りしやすい場所
- 水回りから離れた場所
- 見上げられる高い場所
キッチンや浴室、トイレなどの水回りは、良い気が流れてしまい、とどまりにくい場所とされています。また、湿気や汚れの影響も受けやすいため、神棚はできるだけ水回りから離して配置しましょう。人通りの多いドアの上や通路、階段の下も、お祀りするには適さない場所とされています。住宅の1階に神棚を配置するときは真上の階にも注意を払い、避けるべき場所がないか確認してください。
仏壇はご本尊の高さに注意
仏壇は、お参りするときにご本尊を見下ろさない高さに配置するのが基本です。座ってお参りする場合は、ご本尊が目線より少し高くなるように調整しましょう。コンパクトな上置き型仏壇は床へ直接置かず、安定した台や家具の上に配置します。
また、仏壇は木材で作られているものが多いため、湿気や直射日光、冷暖房の風が直接当たる場所を避けましょう。床の間や仏間がある場合も、宗派や地域の慣習によって適した配置が異なるため、菩提寺や仏壇店に相談すると安心です。
神棚と仏壇は向かい合わせにしない
神棚と仏壇は、同じ部屋に配置しても問題ありません。ただし、片方にお参りするときにもう片方へ背を向けることになるため、正面同士が向かい合う配置は避けたほうがよいとされています。
また、神棚と仏壇を上下に重ねて配置するのも避けるのが一般的です。設置場所が限られている場合は、それぞれの中心が重ならないよう、左右にずらして配置しましょう。
神棚を1階に置く場合は「雲」を置く
神棚の上を人が歩くことは、できるだけ避けたほうがよいとされています。しかし、2階建て住宅の1階やマンションでは、神棚の上に部屋や通路があることも珍しくありません。
そのような場合は、神棚の上の天井に「雲」「天」「空」などの文字を書いた紙や木彫りを掲げ、神棚の上には何もないことを表す方法があります。
神棚はどの階に配置しても問題ありません。上階の配置にも配慮しながら、家族が無理なくお参りできる場所を選びましょう。
神棚・仏壇の正しい祀り方
ここでは、神棚と仏壇の祀り方を、それぞれ比較しながら紹介します。
それぞれのお供え物
神棚に毎日お供えするものは、米・水・塩の3つが基本です。可能であれば、お酒もお供えします。また、お祝い事があるときには、季節の初物やお菓子、果物などをお供えしてもよいでしょう。お正月には鏡餅、お祝い事には赤飯や郷土料理などをお供えすることもあります。
仏壇にお供えするものは「五供(ごくう)」と呼ばれ、香・花・灯明・浄水・飲食の5つが基本です。具体的には、線香・花・ろうそく・水またはお茶・炊いたご飯などを供えます。このほか、お菓子や果物を供えてもよいでしょう。ただし、お供え物の内容や作法は宗派によって異なります。
神棚・仏壇ともに、お供えした食べ物は下げた後に家族でいただきます。食べ物が傷まないうちに下げ、神棚や仏壇を清潔に保つよう心がけましょう。
お参り作法の違い
神棚へのお参りは、毎日行うのが理想とされています。また、自宅の新築や増改築の完成、結婚や出産などのお祝い事があるときに、家族でお参りすることもあります。作法は神社と同じ「二拝二拍手一拝」が基本です。
仏壇へのお参りも、できるだけ毎日行うとよいでしょう。一般的には、ご本尊に一礼した後、線香を香炉に供え、合掌または読経をして、最後にもう一度一礼します。りんを鳴らすタイミングや線香の本数などは宗派によって異なるため、菩提寺などに確認すると安心です。
お参りする時間や、就寝時に仏壇の扉を閉めるかどうかに厳密な決まりはありません。家庭の生活や宗派の考え方に合わせましょう。
神棚の配置
神棚に飾る道具は神具と呼ばれます。主な神具は、神鏡・水玉・皿2枚・榊立て1対・瓶子1対などです。
神鏡は宮形の正面中央に置き、榊立ては左右に配置します。米・塩・水・酒などのお供え物は、三方と呼ばれる台に載せるか、神棚の棚板に並べます。
お供え物は中央を上位とし、米を中心に置き、次に酒・塩・水の順に配置するのが基本です。ただし、神棚の広さやお供え物の数によって並べ方は異なります。限られたスペースに無理に並べる必要はありません。
御札の配置
神棚の宮形には、お神札を納めてお祀りします。お神札は神社で受けることができる神様のしるしで、神社名などが記されています。
神棚にお祀りする主なお神札は、次の3種類です。
- 伊勢神宮のお神札(神宮大麻:じんぐうたいま)
- 氏神神社のお神札
- 崇敬神社のお神札
氏神神社とは、自分が暮らす地域を守る氏神様が祀られている神社です。崇敬神社とは、地域にかかわらず、個人が特に崇敬している神社を指します。
代表的な宮形には、扉が3つある「三社造り」と、扉が1つの「一社造り」があります。三社造りでは、中央に神宮大麻、向かって右に氏神神社、向かって左に崇敬神社のお神札を納めます。
一社造りでは、手前から神宮大麻、氏神神社、崇敬神社のお神札の順に重ねて納めます。宮形の扉は通常閉じたままにしてお祀りします。
現代的なデザインの神棚では、宮形を設けず、お神札をそのまま立ててお祀りするものもあります。お神札を納めるスペースや神棚の形状に合わせて、適切な方法でお祀りしましょう。
神棚・仏壇のお手入れ方法
ここでは、神聖な場所をきれいに保つためのお手入れ方法を紹介します。神様や仏様に失礼のないよう、掃除を始める前には手を洗い、神棚や仏壇に拝礼してから取りかかるとよいでしょう。
水回りの近くや湿気のこもる場所は傷みやすい
神棚や仏壇のお手入れを行う回数に、明確な決まりはありません。ほこりや汚れがたまらないよう、日頃から清潔に保つことが大切です。
神棚や仏壇には天然木などが使われているため、湿気による変形やカビに注意しなければなりません。水回りを避け、直射日光が当たらない風通しのよい場所に配置しましょう。
お正月やお盆には綺麗に
神社では年に2回、6月と12月に「大祓(おおはらえ)」が行われ、半年間の罪や穢れを祓います。神棚も、これらの時期や年末に合わせて丁寧に掃除するとよいでしょう。また、お盆を迎える前には、仏壇や仏具をきれいにしてご先祖様をお迎えします。
年末は、29日が「二重苦」、31日が「一夜飾り」に通じるとして、神棚の掃除やお神札の交換を避ける風習があります。地域や家庭によって考え方は異なりますが、余裕を持って28日までに済ませるとよいでしょう。
年末には神棚を掃除し、お神札を新しいものに取り替えて新年を迎えます。お神札を扱う際は、清潔な手で丁寧に行いましょう。
神棚は乾いた布などで汚れを落とす
神棚は、常に清潔な状態を保つことが大切です。
神棚にはヒノキなどの無垢材が使われ、表面がコーティングされていないものもあります。水拭きをするとシミや変形の原因になるため、乾いた柔らかい布や毛ばたきを使って、優しくほこりや汚れを取り除きましょう。
仏壇も、毛ばたきでほこりを落とし、柔らかい布や仏壇専用のクロスで拭くのが基本です。ただし、金箔や漆塗りなどは傷つきやすいため、素材に合った方法でお手入れしましょう。
陶器の神具などは水洗い
水玉や皿、瓶子などの陶器製の神具は、水洗いして汚れを落とします。洗った後は水分をしっかり拭き取り、十分に乾かしてから元の位置に戻しましょう。汚れがひどく落とせない場合は、新しいものへの交換を検討します。
割れや欠けがあるなら買い替えを。新年で新調が理想的
陶器の神具は毎日使うため、割れたり欠けたりすることがあります。破損を見つけた場合は、安全のためにも新しいものに取り替えましょう。神鏡の曇りが拭いても取れない場合や、鏡面が破損した場合も交換を検討します。
すべての神具を毎年新調する必要はありませんが、年末の掃除に合わせて状態を確認し、傷みが目立つものは新しいものに取り替えるとよいでしょう。
古くなった神棚は神社でお焚き上げ
神棚の汚れや破損が目立つ場合は、新しいものへの交換を検討しましょう。交換時期に明確な決まりはなく、神棚の状態や引っ越しなど、生活の節目に合わせて判断します。
古い神棚は、神社でお焚き上げをしてもらえる場合があります。ただし、神棚そのものを受け付けていない神社もあるため、持ち込む前に確認しましょう。お神札は、受けた神社や近くの神社の古神札納所へ納めます。
陶器製の神具や古い榊などを自分で処分する場合は、感謝の気持ちを込めて清め、地域のごみ出しルールに従って処分しましょう。
晴れて乾燥した日に掃除する
神棚の掃除をする日に厳密な決まりはありません。ただし、年末の29日や31日は避ける風習があるため、気になる方は別の日を選ぶとよいでしょう。
神棚は湿気に弱く、カビや木材のゆがみにも注意が必要です。掃除後に湿気が残らないよう、できるだけ晴れて乾燥した日にお手入れしましょう。
神棚・仏壇は家族の絆を強くする大切なもの
この記事では、以下の内容について解説してきました。
- 神棚と仏壇でお祀りする対象や目的の違い
- 神棚・仏壇を配置する場所
- 神棚・仏壇の正しい祀り方
- 神棚・仏壇のお手入れ方法
神棚と仏壇は、家族が集まりやすく、日々お参りしやすい場所に配置するのがよいとされています。一番大切なのは、神様への感謝や家族の安全を願う気持ち、ご先祖様に思いを寄せる気持ちです。家庭でお参りする習慣を持つことで、日常への感謝や家族への思いをあらためて感じられるでしょう。
神棚や仏壇にはいくつかの作法がありますが、それぞれの意味を理解すれば、決して難しいものではありません。神様やご先祖様に手を合わせ、自分の心を整える時間を、家族の豊かな暮らしの一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。