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【建築寸法の単位】メーターモジュールと尺モジュールの違い

公開日 2022年10月06日

最終更新日 2026年09月14日

モジュールとは、住まいを設計する際に用いられる基準寸法のことです。代表的なものにメーターモジュールと尺モジュールがあり、どちらを選ぶかによって部屋や廊下の広さ、設計などが変わります。これから住まいを建てる方は、それぞれの違いを知っておくとよいでしょう。
 
本記事では、モジュールの違いやメリット・デメリットを説明します。また、日本の住宅で採用されているモジュールの種類についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
 

設計単位として知られる「モジュール」

モジュールとは、建物を設計する際に基準となる寸法です。柱や壁を配置する間隔などを決める基準として用いられます。メーターモジュールの場合、1グリッドは1,000mm×1,000mmです。つまり、柱の中心から隣の柱の中心までの距離が1,000mmになります。
 
実際に使える幅は1,000mmよりも狭く、柱や壁の厚みを除いた部分です。この実際に使用できる幅を「有効幅」と呼びます。
 
 

メーターモジュールと尺モジュールがある

モジュールには、メーターモジュールと尺モジュールがあります。この2つの違いをご存じでしょうか。尺モジュールは、尺貫法の3尺を基準にしたものです。メーターモジュールが1グリッド1,000mm×1,000mmなのに対して、尺モジュールは一般的に910mm×910mmです。つまり、比較すると尺モジュールは1辺が90mm短くなります。どちらを基準にして家を建てるかによって、部屋や廊下の広さ、建築費用などが変わる場合があります。
 
また、先ほど説明した有効幅も、採用するモジュールによって変わります。柱や壁の厚さは住宅メーカーや工法によって異なりますが、一例として、メーターモジュールの有効幅は約870mm、尺モジュールでは約780mmといわれています。
 
 

メーターモジュールのメリット・デメリット

メーターモジュールで住まいを建てる場合のメリット・デメリットを紹介します。注文住宅を建てる際は、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

メリット

メーターモジュールのメリットは、ゆとりのある空間を設計しやすいことです。尺モジュールよりも基準寸法が長いため、同じグリッド数で比較すると、部屋や廊下を広く確保できます。
 
特に、玄関・廊下・階段などにゆとりを持たせやすい点がメリットです。車椅子でも移動しやすい幅を確保しやすいため、バリアフリーを意識した住まいにも適しています。ただし、メーターモジュールを採用するだけでバリアフリーになるわけではなく、出入り口の幅や段差なども含めた設計が必要です。
 
 

デメリット

デメリットは、敷地が狭い場合に設計しにくいことです。基準寸法が長いため、限られた面積の中では、尺モジュールよりも細かな間取りの調整が難しくなる場合があります。
 
さらに、メーターモジュールは建築費が高くなることがあります。同じグリッド数で比較すると、尺モジュールより床面積が約20%広くなり、建物が大きくなる分、材料費や施工費も増えるためです。一方、延床面積が同じであれば、面積による費用の差は大きくありません。ただし、尺モジュールに合わせて作られた建材も多いため、使用する製品によっては材料費や加工費が割高になることがあります。
 
 

尺モジュールのメリット・デメリット

次に、尺モジュールで住まいを建てる場合のメリット・デメリットを説明します。メーターモジュールと比較して、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。
 
 

メリット

尺モジュールはメーターモジュールより基準寸法が短いため、限られた面積を細かく区切って設計しやすい点がメリットです。また、廊下や玄関周りなど、必要な場所だけを部分的に広げられる場合もあります。生活動線に合わせて設計すれば、移動しやすく快適な住まいを実現できるでしょう。
 
ただし、住宅メーカーによっては、基準寸法から外れる設計に追加費用がかかることがあります。廊下などを部分的に広くしたい場合は、設計の可否や費用をあらかじめ確認しておくと安心です。
 
また、尺モジュールには、和室を設計しやすいというメリットもあります。畳・障子・ふすまなどは、尺モジュールを基準にした製品が多く流通しています。和室のある間取りを希望する方にとって、尺モジュールは採用しやすい規格といえるでしょう。
 
 

デメリット

尺モジュールでは、設置する場所によって、市販の収納家具と部屋の寸法が合わず、隙間が生じる場合があります。空間を無駄なく使いたい場合は、設計段階で使用する家具の寸法や配置を確認しておくことが大切です。部屋の大きさに合った収納家具を選びにくいときは、造作家具も選択肢になります。
 
もう1つのデメリットは、廊下や玄関が狭くなりやすいことです。同じグリッド数で比較すると、メーターモジュールより基準寸法が短いため、空間がコンパクトになります。特に、幅を1モジュールで設計するトイレや廊下、階段などは狭く感じることがあるでしょう。
 
 

畳の大きさもモジュールで変化する

畳の寸法は地域や種類によって異なりますが、一般的にメーターモジュールで設計された和室は、同じ畳数の尺モジュールの和室より広くなる傾向があります。使用する畳や障子、ふすまの寸法は設計によって異なるため、事前に住宅メーカーへ確認しましょう。
 
 

帖数だけでなく平方メートル数も確認する

部屋の広さを表す際には、「帖」という単位が使われます。「帖」は、洋室・和室に関係なく使える単位です。不動産広告では、1帖(畳)を1.62㎡以上として表示することが原則とされています。
 
一方、住宅の設計では、同じ「6畳」と表現されていても、採用するモジュールや畳の種類によって実際の床面積が異なる場合があります。そのため、部屋の広さを正確に比較する際は、帖数だけでなく平方メートル数や内寸も確認しましょう。
 
 

日本では尺モジュールが主流

ゆとりのある設計がしやすいメーターモジュールですが、日本では採用している住宅メーカーが限られています。日本で広く普及しているのは、昔から木造建築に使われてきた尺モジュールです。
 
ただし、住宅メーカーによっては、メーターモジュールと尺モジュールの両方を取り扱っている場合もあります。また、基本は尺モジュールとしながら、廊下や階段などの一部を広げられるケースもあります。採用できるモジュールや設計の自由度について、住宅メーカーに相談してみるとよいでしょう。
 
 

メーターモジュールを扱う住宅メーカー

ここでは、メーターモジュールを採用している主な住宅メーカーを紹介します。商品や地域によって採用状況が異なる場合もあるため、詳しくは各社へ確認してください。
 
 

積水ハウス

積水ハウスは、創業して間もない頃からメーターモジュールを取り入れている大手住宅メーカーです。ユニバーサルデザインに力を入れており、メーターモジュールによるゆとりを生かした、幅広い世代が暮らしやすい住まいづくりを行っています。
 
 

トヨタホーム

トヨタホームは、自動車生産で培った技術を住宅づくりに生かしているメーカーです。主力の鉄骨住宅では、鉄骨ラーメンユニット構造とメーターモジュールを採用しています。
 
125mm角の鉄骨柱を使用した強固な構造により、ゆとりのある住空間や大きな開口部を設けやすい点が特徴です。
 
 

タマホーム

タマホームでは、メーターモジュールを採用した住宅の建築実例があります。メーターモジュールを取り入れることで、廊下や水回りなどにもゆとりのある住まいを実現できます。
 
ただし、採用できるモジュールは商品や地域、施工会社によって異なる可能性があります。希望する場合は、打ち合わせの際に確認しましょう。
 
 

ユニバーサルホーム

ユニバーサルホームは、全国に加盟店を展開するフランチャイズの住宅メーカーです。メーターモジュールを採用しており、廊下や階段、水回りなどにゆとりを持たせやすい点が特徴です。
 
また、地熱を利用する独自の基礎と、1階全面床暖房を組み合わせたシステムも取り扱っています。ただし、1階全面床暖房には玄関土間や浴室などが含まれません。
 
 

アイフルホーム

アイフルホームは、全国に加盟店を展開するフランチャイズの住宅メーカーです。1mを基準寸法とするメーターモジュールを採用しており、部屋だけでなく、廊下や収納スペースにもゆとりを持たせやすくなっています。
 
また、家族の生活動線や収納計画などを考慮した、暮らしやすい間取りを提案しています。
 
 

モジュールの違いを理解してじっくり設計しよう

ここまで、モジュールの意味や違いを解説してきました。日本の住宅で多く採用されているのは尺モジュールですが、バリアフリーに対応しやすいメーターモジュールを採用する住宅メーカーもあります。
 
メーターモジュールは、廊下や玄関などにゆとりを持たせやすい点がメリットです。一方、同じグリッド数で設計すると床面積が広くなり、その分、建築費が高くなる可能性があります。
 
尺モジュールは、限られた敷地でも間取りを細かく調整しやすく、畳や障子、ふすまなどを取り入れた和室も設計しやすい点がメリットです。必要に応じて、廊下や玄関だけを広げる方法もあります。ただし、住宅メーカーによっては、基準寸法から外れる設計に追加費用がかかる場合があります。また、廊下や玄関などを1モジュールの幅で設計すると、狭く感じることもあるでしょう。
 
どちらが適しているかは、敷地の広さや予算、希望する間取りによって異なります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、住宅メーカーと相談しながら、じっくりと設計を進めましょう。

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