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小上がりとは?メリット・デメリット、工夫の仕方

公開日 2022年11月10日

最終更新日 2026年09月14日

注文住宅で和室をつくる際、一般的なフラットな和室にするか、小上がりの和室にするかで悩む方もいるでしょう。小上がりにすると空間にメリハリが生まれ、おしゃれな雰囲気を演出できます。
 
しかし、具体的な広さや予算について、どのような点に注意すればよいのでしょうか。小上がりをつくる場合と一般的な和室を設ける場合とで、どのような違いがあるのか、イメージしにくいかもしれません。
 
この記事では、小上がりを検討する前に知っておきたいメリット・デメリットや、つくる際のポイント、活用方法まで詳しく解説します。マイホームに和室を設けたい方は、ぜひ参考にしてください。
 
 

飲食店などでよく見かける「小上がり」

飲食店やホテルなどで、小上がりを見たり使ったりしたことがある方は多いでしょう。最近では、住宅やマンションにも小上がりが取り入れられています。新築住宅では和室が減少傾向にありますが、小上がりの和室はデザイン性や機能性の高さから、若い世代にも選ばれています。
 
ここでは、小上がりの定義や基本情報をお伝えします。
 
 

床面に高さを設けたスペースのこと

小上がりとは、周囲の床面より一段高い位置に設けられた、小さな座敷やスペースのことです。
 
座敷は、日本建築で古くから使われてきた、床に座って過ごす部屋を指します。畳敷きだけでなく板の間を座敷と呼ぶこともあり、もともとは客間などに使われてきました。
 
現代の小上がりは、客間としてだけでなく、さまざまな用途に活用されています。畳敷きに限らず、住宅によってはフローリングで仕上げることもあります。広さは3〜4畳ほどが多く、住まいに合わせてさまざまなデザインが採用されています。
 
 

飲食店で靴を脱いで上がるお座敷席も小上がり

小料理屋などの飲食店で見られる小上がりには、椅子席と緩やかに仕切られたタイプや、靴やスリッパを脱いで上がる独立した小部屋タイプなどがあります。
 
ゆっくりくつろげる座敷席として設けられていることが多く、店舗によっては、子ども連れの家族を案内する場所として使われています。
 
 

住宅では主にリビングで取り入れられる

住宅の小上がりは、リビングの一角に設けられることが多く、縁なし畳を敷いてデザイン性の高い和室にしたり、来客時の寝室として使ったりと、活用方法は多種多様です。
 
また、小さな子どもがいる家庭では、普段の遊び場としても利用できます。おもちゃを広げていても、引き戸やロールスクリーンなどの仕切りを設けておけば、急な来客時に隠せるため便利です。
 
十分な広さを確保できない場合は、2畳ほどの畳敷きの小上がりにクッションを置き、ベンチやソファのように使うこともできます。
 
 

小上がりのメリット・デメリット

小上がりの特徴がわかったところで、ここからは設置を検討する前に知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
 
 

メリット:空間に奥行きが生まれる

小上がりを設けると床に高低差が生まれ、空間にリズムや立体感を与えられます。一般的なリビングとは異なる、おしゃれな雰囲気を演出できるでしょう。
 
高級旅館のような非日常感のある空間をつくることもできるため、部屋の印象を変える目的で、リフォームの際に後付けするケースもあります。
 
 

メリット:様々な用途で使える

小上がりは、来客用の寝室や小さな子どもの遊び場など、幅広い用途に利用できる点が魅力です。
 
広さによっては掘りごたつを設けた和室にしたり、リビングの延長として家族がくつろぐスペースにしたりできます。床面から一段高くなっているため、腰掛けたり寝転んだりしてリラックスする場所としても快適です。
 
また、引き戸やロールスクリーンなどで仕切れば、半個室としても使えます。在宅勤務をする方や書斎が欲しい方は、仕事に集中するための空間として活用できるでしょう。
 
 

メリット:収納を増やせる

床面から一段高い構造を生かし、小上がりの床下を収納として利用できます。
 
リビングは居住スペースを優先すると、収納が不足しがちです。そのような場合は、小上がりの床下に収納を設けることで、居住スペースを圧迫せずに収納量を増やせます。
 
小上がりの収納には、畳などの天面を開けるタイプや、側面から引き出すタイプがあります。設計によっては、両方を組み合わせることも可能です。
 
オフシーズンの衣類や家電、来客用の布団など、大きくて収納場所に困るものも収められます。ただし、天面を開けるタイプは上に置いたものを移動させる必要があるため、使用頻度の低いものの収納に適しています。
 
 

メリット:空きスペースを有効活用できる

間取りや建物の形状によって生じた空きスペースに、小上がりを設けて有効活用できる場合があります。
 
小上がりは独立した部屋としてだけでなく、ベンチや簡易的な寝床、収納スペースとしても利用できます。2畳程度でも用途によっては十分に機能するため、間取りに余ったスペースがある方は検討してみるとよいでしょう。
 
 

デメリット:バリアフリーには不向き

小上がりには段差があるため、バリアフリーを重視する住宅には不向きです。高齢者や小さな子どもが上り下りするときは、転倒や転落に注意しなければなりません。
 
特に小さな子どもがいる家庭では、段差の高さや角の形状に配慮し、必要に応じて転落防止用の柵などを設けましょう。
 
一方、小上がりの段差を高齢者が腰掛けやすい高さにすれば、ベンチのように使えます。ステップや手すりを設けることで、上り下りの負担を軽減することも可能です。
 
また、ロボット掃除機は小上がりの段差を乗り越えられないため、リビングとは別に掃除する必要があります。掃除の手間が増える点を不便に感じる方もいるでしょう。
 
 

デメリット:サイズや高さによっては空間が狭く感じる

小上がりはリビングの一角に設けられることが多く、3〜4畳程度の面積を占めるため、広さに注意して設計しましょう。
 
小上がりを広くしすぎたり、大きな家具を置いたりすると、リビングが狭く感じられる可能性があります。また、天井が低い住宅では、段差を高くすると小上がり部分の天井高が減り、圧迫感が生じることもあります。
 
小上がりを設置する際は、リビング全体の広さや天井高とのバランスを考えることが大切です。
 
 

小上がりを作るときのポイント

小上がりをつくりたいと決めたら、具体的に何を検討すればよいのでしょうか。
 
ここでは、小上がりをつくる場合にチェックしておきたい3つのポイントを解説します。
 
 

予算を把握しておく

小上がりの設置費用は、広さ・床の素材・仕切り・収納の種類などによって変わります。希望する仕様にした場合、どのくらいの費用がかかるのかを把握しておきましょう。
 
小上がりの広さには3畳・4.5畳・6畳などがあります。6畳ほどの広さを確保し、間仕切りを設けて個室として使う方法もあります。
 
畳敷きにするかフローリングにするかによっても費用は異なります。また、畳にもイグサを使った一般的な畳や縁なし畳など、さまざまな種類があります。
 
さらに、掘りごたつを設置する場合は、本体や造作にかかる費用に加え、仕様によっては電気工事費も必要です。
 
どのようなデザインにしたいのか、どのように使いたいのかを具体的にイメージしてから、施工会社に見積もりを依頼しましょう。
 
 

天井や間取りとのバランスを考える

小上がりのサイズを決めるときは、リビングに設置した場合の部屋全体のバランスに注意しましょう。
 
小上がりの床面から天井までの距離が短すぎたり、リビングに対して小上がりが広すぎたりすると、空間が狭く感じられることがあります。
 
小上がりの段差は、30〜40cm程度にすると腰掛けやすくなります。ただし、一般的な階段よりも段差が高くなるため、小さな子どもや高齢者がいる家庭では注意が必要です。
 
収納を設ける場合は、収納したい物や引き出しの構造に合わせて高さを決めます。十分な収納容量を確保するには、30〜40cm程度の高さが必要になることもあります。
 
また、見落としやすいのが家族の身長です。背の高い方が小上がりに立つと、段差の分だけ天井に近づき、圧迫感を覚える可能性があります。設計する際は、小上がりの床から天井までの高さを確認しておきましょう。
 
 

主な目的が収納なら、ほかの収納方法も検討する

小上がりに収納を設ける場合は、しゃがんで物を出し入れする可能性があることも考慮しましょう。また、十分な奥行きや高さを確保できない場合は、収納できる物が限られます。
 
何を収納したいのかを事前に決めておくと、必要な小上がりの広さや高さ、収納の形式を決めやすくなります。
 
収納を増やすことが主な目的であれば、小上がりだけでなく、壁面収納や造作収納など、ほかの方法も併せて検討しましょう。
 
 

小上がりの使い方はさまざま

これまで紹介したように、小上がりは幅広い用途に活用できる便利な空間です。ここでは、小上がりの具体的な使い方を紹介します。
 
 

勉強スペースや書斎として

間仕切りを設けて半個室として使えるようにしておけば、小上がりを勉強スペースや書斎として活用できます。
 
リビングと緩やかにつながっているため、小上がりの内外で家族の存在を感じながら過ごせる点がメリットです。本棚や机、コンセントなども設置しておくと、さらに使いやすくなるでしょう。
 
 

こたつなどを置いて家族の団らんスペースに

新築住宅では、リビングをフローリングにするケースが一般的です。小上がりを畳敷きにすれば、独立した和室を設けなくても、畳の上でこたつを囲めます。
 
3〜4畳ほどの小上がりでも、広さに合ったこたつを置いて使用できます。また、段差を生かして掘りごたつを設ければ、足を下ろして座ることも可能です。冬の寒い日に家族団らんを楽しむスペースとして活用できるでしょう。
 
 

子どもの遊び場として

小上がりは、子どもの遊び場としても活用できます。
 
遊ぶ場所を小上がりの中に決めておけば、おもちゃがリビング全体に広がりにくくなり、子どもと一緒に片付けやすくなります。
 
リビングの一角に小上がりを設ければ、キッチンやリビングから子どもの様子を見守りやすい点もメリットです。ただし、配置によってはキッチンから見えにくくなるため、設計段階で視線の通り方を確認しておきましょう。
 
歩き始めたばかりの子どもが利用する場合は、段差から転落する危険があります。段差の高さや角の形状に配慮し、必要に応じて転落防止対策を行いましょう。
 
 

昼寝やストレッチなどのリラックススペースとして

仕切りを設けず、リビングからすぐに使えるようにすれば、昼寝やストレッチ、読書などを楽しむリラックススペースとして活用できます。
 
小上がりの引き出しに毛布やヨガマットなどを収納しておけば、使いたいときにすぐ取り出せて便利です。
 
窓の近くに小上がりを設け、ウッドデッキや庭とつながりを持たせるのもよいでしょう。外の景色や季節の移ろいを感じながら、ゆっくり過ごせる空間になります。
 
 

来客時の客室として

住まいづくりでは、使用頻度の低い客間を設けるべきか迷う方もいるでしょう。
 
狭小住宅や部屋数を多く確保できない住宅でも、小上がりなら普段は家族のくつろぎスペースとして使い、来客時には客室として活用できます。床下収納に来客用の布団などをしまえるようにしておけば、必要なときに取り出せて便利です。
 
客室としての利用を考える場合は、引き戸やロールスクリーンなどを設け、必要に応じてプライバシーを確保できるようにしておくとよいでしょう。
 
 

空間に緩やかなメリハリを与える小上がり

ここまで、小上がりを検討する前に知っておきたいメリット・デメリットや、つくる際のポイント、使い方について詳しく解説してきました。
 
小上がりを設置するときに最も重要なのは、「どのように使いたいか」を明確にしておくことです。目的が決まれば、必要な広さや高さ、収納のタイプなども選びやすくなります。
 
小上がりは、実用性だけでなく、空間に個性や非日常感を加えられる点も魅力です。
 
小上がりを上手に取り入れて、快適でおしゃれなリビングを目指してみてはいかがでしょうか。

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