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ラーメン構造って何?特徴やメリット、他の構造形式との違いをご紹介
公開日 2022年05月30日
最終更新日 2026年09月14日

建物に使われる構造には、さまざまな種類があることをご存じでしょうか。建物の規模や高さ、用途などによって、適した構造は異なります。それぞれに特徴があるため、建物を建てる際は違いを知っておくとよいでしょう。本記事では、ラーメン構造の特徴や、その他の構造との違いについて紹介します。
目次
ラーメン構造はドイツ語の「Rahmen(額縁)」が由来
マンションで主に用いられる構造形式には、ラーメン構造と壁式構造があります。
ラーメン構造は、柱と梁を組み合わせて枠をつくり、建物を支える構造です。名前の由来は、ドイツ語で額縁や枠を意味する「Rahmen」です。
ラーメン構造では、柱と梁を「剛接合」と呼ばれる方法で強固に接合します。鉄骨造では溶接やボルト、鉄筋コンクリート造では鉄筋を組んでコンクリートを一体的に打設する方法などが用いられます。また、木造建築でも金物などを使い、柱と梁を剛接合したラーメン構造があります。
剛接合とは、柱と梁の接合部が簡単に変形したり回転したりしないよう、一体化させる接合方法です。柱と梁が一体となり、地震や風による力に抵抗します。
そもそも、柱と梁の違いは何でしょうか。柱は、建物を支える垂直方向の部材です。それに対して梁は、柱同士を水平方向につなぎ、床や屋根などの荷重を支える部材です。
一般的なラーメン構造は、筋交いなどの斜めの部材に頼らず、柱と梁を強固に接合することで、地震や風による水平方向の力に抵抗します。ただし、建物によっては、耐震壁やブレースなどを組み合わせる場合もあります。
ラーメン構造と壁式構造のどちらが耐震性に優れているかは、一概にはいえません。建物の耐震性は、構造形式だけでなく、柱や梁、壁、接合部の強度、建物全体の設計、施工状態、地盤や基礎など、さまざまな要素によって決まります。ラーメン構造であっても、適切に設計・施工されていれば、高い耐震性を確保できます。
ラーメン構造の特徴
ここでは、ラーメン構造の主な特徴を見ていきます。マンションの構造形式を知りたい場合は、売買契約書や重要事項説明書、設計図書などで確認しましょう。
柱と梁でつくる枠状の構造
ラーメン構造は、主に柱と梁で建物を支えるのが特徴です。壁式構造と比べて耐力壁による制約が少なく、比較的自由に空間を設計できます。また、取り除ける間仕切り壁が多いため、リフォームや間取り変更の選択肢も広がります。
ただし、柱や梁などの構造部分は撤去できないため、どのような間取りにも変更できるわけではありません。
柱や梁が出っ張る
柱や梁によって、室内に凹凸が生じることがあります。一方、壁式構造は壁で建物を支えるため、柱や梁の出っ張りが少なく、室内をすっきり見せやすいのが特徴です。
空間の凹凸が気になる方は、間取り図や内見で確認しておくとよいでしょう。ただし、間取り図によっては梁の位置や細かな凹凸が記載されていない場合もあるため、注意が必要です。
なお、柱や梁を住戸の外側に出す「アウトフレーム工法」を採用し、室内の凹凸を抑えたマンションもあります。
中高層マンションにも採用できる
壁式構造は低層マンションに多く採用され、一般的には5階建て程度までの建物で用いられます。一方、ラーメン構造は設計の自由度が高く、中高層マンションにも幅広く採用されています。
また、ラーメン構造は高層建築に限らず、低層マンションや戸建住宅などにも用いることができます。
ラーメン構造のメリット・デメリット
中高層マンションにも用いられるラーメン構造には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは、ラーメン構造の建物に見られる特徴を紹介します。建物の構造を選ぶ際は、ぜひ参考にしてみてください。
メリット
ラーメン構造の主なメリットを4つ紹介します。
1つ目は、間取りの自由度が高いことです。柱と梁で建物を支えるため、壁式構造と比べて耐力壁による制約が少なく、広い部屋も設計しやすくなります。ただし、柱や梁は移動できないため、間取りを完全に自由に決められるわけではありません。
2つ目は、リフォームによる間取り変更がしやすいことです。子どもが小さいうちは部屋を分け、成長後に間仕切り壁を撤去して広い部屋にすることもできます。また、将来的にバリアフリー化することも検討できるでしょう。壁式構造では建物を支える壁を自由に撤去できませんが、ラーメン構造では構造に影響しない間仕切り壁を変更できる場合があります。ただし、マンションでは管理規約による制限もあるため、リフォーム前の確認が必要です。
3つ目は、大きな開口部を設けやすいことです。柱と梁で建物を支えるため、構造上可能な範囲で大きな窓や開口部を設けられます。開放的な空間をつくりやすく、オフィスビルや商業施設などにも用いられています。
4つ目は、中高層の建物にも対応できることです。建物の規模や用途に合わせて柱や梁の強度を確保できるため、低層住宅から高層マンション、オフィスビルまで幅広い建物に採用されています。
デメリット
次に、ラーメン構造の主なデメリットを3つ紹介します。
1つ目は、室内に凹凸が生じることです。柱や梁が室内側に張り出すと、見た目が気になるだけでなく、室内が狭く感じられる可能性があります。家具を置きにくくなる場合もあるため、入居前に柱や梁の位置を確認しておくとよいでしょう。置きたい家具が決まっている方は、寸法を測って配置できるか確かめておくと安心です。
2つ目は、建物の規模や構造によって建築費が高くなることです。大規模な建物や高層マンションでは、十分な強度を確保するために太い柱や梁が必要となり、鉄筋や鉄骨、コンクリートなどの使用量も増えます。また、建物の重量や地盤の状態によっては、杭工事や地盤改良が必要となり、費用が増える場合もあります。ただし、建築費は構造形式だけで決まるものではなく、建物の規模や材料、設計、地盤などによって異なります。
3つ目は、壁の仕様によって遮音性が異なることです。ラーメン構造では、隣戸との境界壁が建物を支える構造壁ではない場合があります。ただし、ラーメン構造だから壁が薄いとは限りません。遮音性は壁や床の材質・厚さ、施工方法などによって異なります。
完成済みのマンションや中古マンションを購入する場合は、壁や床の構造を確認し、可能であれば時間帯を変えて内見するなど、周囲の音が気にならないか確かめておくと安心です。
ラーメン構造に用いられる主な構造は3種類
ラーメン構造は、柱や梁に使われる材料によって分類できます。使用する材料によって、建物の重量や特徴、建築費、工期などが異なります。ラーメン構造に用いられる主な構造は、以下の3種類です。
RC造
RC造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた鉄筋コンクリート造です。鉄筋は引張力に強く、コンクリートは圧縮力に強いという特徴があります。それぞれの特性を生かし、互いの弱点を補える点がメリットです。
現場で型枠を組み、鉄筋を配置してコンクリートを流し込むため、比較的自由な形状に対応できます。ただし、木造やS造と比べて建物の重量が大きくなりやすい点には注意が必要です。
SRC造
SRC造は、鉄骨鉄筋コンクリート造のことで、鉄骨の周囲に鉄筋を組み、コンクリートを打設した構造です。
鉄骨の粘り強さと鉄筋コンクリートの強度を併せ持ち、大規模な建物にも対応できます。一方、使用する材料や施工工程が多く構造も複雑なため、RC造やS造と比べて建築費が高く、工期も長くなる傾向があります。
S造
S造は鉄骨造のことで、柱や梁などの骨組みに鉄骨を用いる構造です。RC造やSRC造と比べて建物を軽量化しやすく、工期も短くなる傾向があります。
ただし、鉄骨は火災時の高温によって強度が低下するため、建物の用途や規模に応じた耐火被覆が必要です。なお、耐震性は構造の種類だけでなく、建物全体の設計や施工品質によって異なります。建物によっては、RC造などと組み合わせた複合構造が採用されることもあります。
ラーメン構造以外にもさまざまな構造形式がある
建物に用いられる構造形式は、ラーメン構造だけではありません。どのような種類があるのか把握しておくとよいでしょう。ここでは、ラーメン構造の工法や、その他の構造形式を紹介します。
室内の凹凸を抑えたラーメン構造
ラーメン構造でも、工法によっては柱や梁による室内の凹凸を目立ちにくくできます。ここでは、具体的な工法を紹介します。
逆梁工法
逆梁工法とは、一般的に床の下側へ張り出す梁を、床の上側に設ける工法です。天井側への梁の出っ張りを抑えられるため、天井がすっきりとして、空間を広く見せやすくなります。
一方、梁を設ける位置によっては床に段差が生じるため、バルコニーや住戸の外周部などに採用されることがあります。
逆梁アウトフレーム工法
逆梁アウトフレーム工法は、柱や梁を住戸の外側へ出し、室内の凹凸を抑える工法です。室内をすっきり見せられ、家具も配置しやすくなります。
バルコニー側に設けた梁を手すり壁として利用することもあります。ただし、柱や梁が張り出すことで、バルコニーが狭く感じられる場合があります。また、小さな子どもがいる家庭では、梁などが足掛かりにならないよう注意が必要です。
壁式構造
壁式構造は、柱や梁ではなく、鉄筋コンクリートの壁や床で建物を支える構造です。建物を支える構造壁が必要なため、大きな開口部を設けにくいなど、設計上の制約があります。
主に低層マンションで採用される構造で、柱や梁の出っ張りが少なく、家具を配置しやすいすっきりとした室内をつくれる点がメリットです。一方、構造壁は撤去できないため、リフォームによる間取り変更の自由度は低くなります。
ブレース構造
ブレース構造は、柱と梁でつくった骨組みに、斜めの部材であるブレースを取り付けた構造です。ブレースが地震や風による水平方向の力に抵抗し、建物の変形を抑えます。
工場や倉庫、体育館など、幅広い建物に採用されています。効率よく強度を確保できる一方、ブレースを設ける位置によっては、窓や出入り口、間取りなどが制限される場合があります。
トラス構造
トラス構造は、複数の部材を三角形に組み合わせて建物を支える構造です。部材には鋼材や木材などが使われます。
少ない材料で広い空間を支えやすいため、住宅の屋根をはじめ、体育館やドーム、橋などにも用いられています。ただし、形状や規模によっては設計や接合部が複雑になり、施工に手間や費用がかかる場合があります。
リノベーションを検討している方にはラーメン構造がおすすめ
ラーメン構造は、柱と梁を強固に接合して建物を支える構造です。壁で建物を支える壁式構造と比べて、間取りの自由度が高いという特徴があります。また、構造に影響しない間仕切り壁であれば撤去や移動がしやすいため、将来的にリノベーションを検討している方にも適しています。
ただし、マンションでは管理規約などによって工事内容が制限される場合があるため、事前の確認が必要です。また、室内に柱や梁の凹凸が生じることもあります。凹凸を目立たせたくない場合は、アウトフレーム工法や逆梁アウトフレーム工法を採用した住宅を選ぶのもよいでしょう。
構造形式の特徴を理解し、将来の暮らしやリノベーションも見据えて住まいを選んでみてください。