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家づくりに欠かせない敷地調査と地盤調査をわかりやすく解説
公開日 2022年10月26日
最終更新日 2026年09月14日

新しく家を建てる際は、敷地の面積や形状、周辺環境などに合わせて設計する必要があります。また、建築基準法や都市計画法などの法規制に従って、建物の大きさや高さを決めなければなりません。そこで重要になるのが、敷地調査です。
敷地調査では、土地の面積や形状、高低差などを測り、建築に関わる法規制や周辺環境を確認します。これから注文住宅を建てる方は、敷地調査で何を調べるのか把握しておくとよいでしょう。
本記事では、敷地調査の主な項目や内容を説明します。また、地盤調査との違いについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
敷地の現状を調べる敷地調査
敷地調査とは、土地の面積や形状、高低差、周辺環境、法規制などを調べるものです。地盤の強度を確認する地盤調査とは、目的や調査内容が異なります。
住まいを建てる際は、不動産登記法・建築基準法・都市計画法をはじめ、さまざまな法律や条例が関係します。主な確認項目は、地目・用途地域・建ぺい率・容積率・斜線制限・接道義務などです。これらを調査し、住宅を建てられる土地か、どの程度の面積や高さの建物を建てられるかを確認します。
住宅設計のために作成された敷地調査図は、一般的に不動産登記や土地の売買に必要な確定測量図とは異なります。登記などに使用する場合は、土地家屋調査士による測量や境界の確認が必要になることがあります。
なぜ敷地調査が必要なのか?
敷地調査では、土地の面積や形状を測り、登記簿に記載された内容と現況に違いがないかを確認します。古い時代に測量された土地は、当時の測量技術や測り方によって、登記簿上の面積と実際の面積が異なる場合があるためです。
また、建築基準法や都市計画法などに従って住宅を建てるためには、その土地にどのような建物を建てられるかを確認する必要があります。正確な敷地の状況と法規制を把握し、適切な設計を行うために敷地調査が必要です。
敷地調査はどのようなことをするのか?
住まいを建てる際に欠かせない敷地調査ですが、実際にはどのようなことを調べるのでしょうか。敷地調査には、土地の面積や形状、法規制、周辺環境など、複数の確認項目があります。
これから住まいを建てる方は、敷地調査の内容を把握しておくとよいでしょう。ここでは、主な調査項目について詳しく説明します。
敷地の形と面積を調べる
敷地調査では、敷地の形や面積、高低差などを測定します。また、隣地との高低差や、境界杭・境界標の有無も確認します。
隣地との境界が明確でない場合、設計に必要な敷地の範囲を正確に把握できません。境界を確定させる必要がある場合は、土地家屋調査士などに依頼し、隣接する土地の所有者の立ち会いのもとで確認を行います。隣地の所有者を把握しておくと、境界付近に塀を設ける場合や、工事で隣地を使用する必要が生じた場合にも相談しやすいでしょう。
さらに、電気・ガス・上下水道などの設備が敷地まで整備されているかも確認します。必要な設備が引き込まれていない場合は、別途引き込み工事が必要です。
敷地に面した道路を調べる
敷地の形や面積だけでなく、接している道路も調査の対象です。道路調査では、道路の幅や敷地との高低差を測り、側溝・マンホール・ガードレール・電柱などの位置を確認します。また、その道路が建築基準法上の道路に該当するかも調べます。
都市計画区域や準都市計画区域内では、原則として、建築物の敷地が幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していなければなりません。前面道路の幅が4m未満でも、建築基準法上の道路として認められている場合は、道路の中心線から原則2m後退する「セットバック」が必要になることがあります。
方位を測定する
方位の測定は、部屋の間取りや窓の位置を決めるために必要です。方角を正しく把握することで、日当たりや風通しを考慮した設計が可能になります。また、家相などの吉凶を踏まえて家を建てる場合にも、正確な方位を確認する必要があります。
隣家の窓や換気扇の位置を確認する
窓の位置を決めるために、隣家の窓や換気扇の位置も確認します。新しく建てる住宅の窓を隣家の窓とずらして配置すれば、お互いの視線が合いにくくなり、プライバシーを確保しやすくなります。
また、隣家の換気扇や給湯器などの排気口に近い場所へ窓を設けると、においや排気が室内へ入る可能性があります。隣家との位置関係を確認しながら、窓の配置を決めることが大切です。
法規制を確認する
敷地調査では、その土地に関係する法規制を確認します。主な調査項目の一つが用途地域です。用途地域とは、都市計画法に基づき、建てられる建物の用途や規模などを定めた地域区分を指します。
用途地域は全部で13種類あり、そのうち住居系は8種類です。このほか、商業系が2種類、工業系が3種類あり、それぞれの目的に応じて土地利用が定められています。
建ぺい率と容積率の確認も必要です。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。建ぺい率が低いほど、敷地内に確保しなければならない空地が大きくなる傾向があります。
容積率とは、敷地面積に対する延べ面積の割合です。容積率が高いほど、建てられる建物の延べ面積を大きくできます。
さらに、道路や隣地の日当たり、通風などを確保するため、建物の高さを制限する斜線制限もあります。希望する大きさや形の住宅を建てられるか判断するには、これらの法規制を事前に確認することが大切です。
敷地調査と併せて重要な地盤調査
敷地調査と同じように大切なのが、地盤の強度や性質を調べる地盤調査です。ここでは、地盤調査の目的や特徴を説明します。住まいを建てる際は、敷地調査との違いも併せて把握しておくとよいでしょう。
地盤調査とは?
地盤調査は、地盤が建物の重さを支えられるか、不同沈下を起こすおそれがないかなどを調べる調査です。十分な強度のない地盤に建物を建てると、建物が沈下したり傾いたりする危険性があります。
調査結果は、建物を支える基礎の種類や補強方法を検討するために使われます。安全な住宅を建てるには、建物の構造だけでなく、地盤の状態に適した基礎を設計することが大切です。
調査によって地盤が建物を支えるには不十分だと判断された場合は、地盤改良や杭工事などを検討します。費用は、土地の状態や建物の規模、採用する工法、改良する深さなどによって大きく異なります。
主な工法には、土と固化材を混ぜて地盤を固める表層改良工法や、地中に柱状の改良体をつくる柱状改良工法などがあります。どの工法を採用するかは、地盤調査の結果をもとに施工会社や専門業者が判断します。
地盤調査は、建て替えの場合にも必要です。以前から建物が建っていた土地でも、新しく建てる住宅の重さや基礎の形状が異なるほか、既存の建物を解体したことで地盤の状態が変わっている可能性があります。安全な住宅を建てるため、建て替えの際もあらためて地盤の状態を確認しましょう。
主な調査方法は3種類
地盤調査には、主に3つの方法があります。それぞれ調査できる範囲や費用が異なるため、特徴を見ていきましょう。
スクリューウエイト貫入試験
戸建住宅の地盤調査で一般的に用いられているのが、スクリューウエイト貫入試験です。以前は「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていましたが、2020年のJIS改正に伴って名称が変更されました。
この調査では、先端にスクリューが付いたロッドにおもりを載せ、地中へ貫入させます。おもりの重さやロッドの回転数などから、地盤の硬さや締まり具合を調べます。
戸建住宅では、建物の中央付近と四隅の計5か所を測定するのが一般的です。比較的短時間かつ低コストで調査でき、半日程度で終わることもあります。
ただし、地中の石や硬い地層に当たると、それより深い部分を調査できない場合があります。また、土を直接採取する試験ではないため、詳しい土質の判定には限界があります。
ボーリング調査・標準貫入試験
ボーリング調査は、機械で地面に孔を掘り、地層の構成や土質などを調べる方法です。一般的には、孔の中へサンプラーを打ち込む標準貫入試験を併せて行い、打撃回数から地盤の硬さを示すN値を求めます。
地中から土の試料を採取できるため、スクリューウエイト貫入試験よりも詳しく地層や土質を確認できます。マンションやビルなど、規模の大きな建物を建てる際に用いられることが多い調査方法です。
一方、大型の機械を搬入してやぐらを設置するスペースが必要となり、費用も比較的高くなります。調査期間は、深さや調査地点数などによって異なります。
平板載荷試験
平板載荷試験は、地盤に鋼製の平板を置き、段階的に荷重をかけて沈下量を測定する試験です。測定結果から、地盤の支持力や沈下の特性を確認します。
比較的短時間で実施できる一方、確認できるのは平板の直下にある比較的浅い範囲です。そのため、深い位置にある軟弱な地層までは把握できない点がデメリットです。
調査費用は、調査地点数や使用する機械、敷地条件などによって異なります。地盤や建物の状況に応じて、ほかの調査方法と組み合わせることもあります。
敷地調査と地盤調査で土地の状態を確認しましょう
本記事では、敷地調査の内容や地盤調査の種類を紹介しました。敷地調査では、敷地の面積や形状、接している道路などを確認し、建てられる建物の大きさや高さを調べます。
また、隣家の窓や換気扇などの位置を確認することで、互いのプライバシーや快適性に配慮した設計が可能です。日当たりや風通しのよい住まいをつくるには、方角や周辺環境を把握して間取りを決めることが大切です。
敷地調査と併せて重要なのが、地盤調査です。地盤調査では、専用の機械などを使って地盤の強度や性質を調べます。調査結果によっては、地盤改良や杭工事が必要になる場合もあります。
安全で快適な住まいを建てるため、敷地調査と地盤調査の結果を踏まえて設計を進めましょう。