DIP

kuribayashi-no-ie

取材作品

スキップハウスで家族の成長を感じて暮らす

栃木・壬生町の栗林の横に建つ斎藤邸。2004年ごろに建てたというその家は、その場所に流れている落ち着きや歴史が育んできた余裕を持ち、“隠れ家”のようなひっそりとした雰囲気を漂わせている。

庭を覆うように延びる木製の縦×横ルーバーと、ジョリパットという素材を用いて左官職人による模様を付けた塗壁が水平に連なる。

和風の趣きを湛えながら軽やか。品の良さを感じられるエントランスに仕上がった。

家を建てるにあたり、エンジニアでもある旦那さまの通勤や地盤などを考慮し、出会ったのがこの栗林に面する長方形の敷地だった。

「当初、斎藤さんは2階建を希望していました。でも家族構成に対して十分な土地の広さがあったので、私たちは2階建てにはせずあえて平屋造りで設計プランをたてました。なぜかというと子どもの成長を感じたいというリクエストもあり、子ども部屋を2階につくるとコミュニケーションが減ってしまうからです」とはDIP佐山さんの弁。

長方形の土地に沿って奥行のある建物を配置。東側に目線が広がるように大きな開口やベランダを設けている。また、奥に向かって徐々に上がっていくスキップフロアを採用した。敷地の個性によって生まれた隣地の栗林が、生活に豊かさをもたらした。

玄関を入ってすぐは家族が集うLDKゾーン。そこから階段をスキップしていくと現れるのが子ども部屋だ。

家の素材にはヒノキや杉の無垢材、地元の大谷石、ステンレスなどを融合。有機物と無機物を組み合わせるDIP佐山さんの意匠が細かいところにまで発揮されている。特に生活の中心となるLDKは約19畳の広さで、木の魅力を存分に感じられるつくりだ。

玄関をくぐってすぐ奥の部屋まで一続きなので、移動もスムーズな上、家事動線も使いやすく便利。さらに階段下は巨大な収納になっていて、子どものおもちゃから日常的に使用するものまで何でも収納OK。来客時には一時保管のスペースとして重宝しているそうだ。

段差を巧く利用した高床のような子ども部屋は、家族が寛ぐリビングとひと続きでありながらプライバシーを確保。ロフトに連動した子どもたちの遊び場はライフスタイルや子どもたちの成長に合わせて、使い方を変えていける万能空間にもなるに違いない。

仕上がった家のスキップフロアや高い天井の開放感は想像以上だったといい、とても気に入ったという。また、「家を建てるにあたり、子供の成長を感じたいとはいいつつもプライベートはきちんと分けることを意識しました」と話すご夫妻。

家で仕事をすることもあるという旦那さまにとっても嬉しいのが、子ども部屋の奥にドアを設置して寝室兼ワークスペースを設置した点。この立体感のある空間はスキップフロアならではの面白さだ。

庭に面した大きなガラス窓からは、大開口からたっぷりの自然光が差し込む。周囲の家が目に入ることなく視界が広がり、季節の移ろいを感じることができる。「キッチンからの眺めは気持ちいいですね。どこにいても家族の気配が感じられる、そんな気がしています」と奥さま。

家族が同じ空間を共有しながらも、それぞれが好きなことをしていられるスキップフロア。家族のほどよい距離感が心地良い時間を運び、子どもたちの健やかな成長をその住まいがしっかり守ってくれそうだ。

実はこの斎藤邸はDIP佐山さんの建築事例としても好評らしい。以前、取材させていただいた「シンプルライフと素敵ご夫婦の家」の施主は、斎藤邸をみてDIP佐山さんに依頼されたそうだ。

「私達は『住みやすく収納が多い家』が理想で、ハウスメーカーを中心にあちこち探していました。DIPさんは見学会をきっかけに土地選定の段階から相談しました。細かい要望を聞いていただき、感性の合う建築家と出会えて本当によかった」と斎藤夫妻。

「建築家に頼むのはハードルが高い」というイメージがあっても、せっかく家を建てるのなら、思い通りの家にしたい……。そんな施主の声を実現するのに建築家ほど信頼性が高いものはないだろう。

それは「家づくりが終わってしまうのが寂しかったくらいです(笑)」と話す斎藤さんの言葉によく表れている。

  • 作品名

    kuribayashi-no-ie

  • 所在地

    栃木県壬生町

  • 家族構成

    ご夫婦、お子様2人

  • 居住年数

    17年

  • 延床面積・間取り

    154.10u(46.66坪) 3LDK

  • 居住タイプ・構造

    木造平屋建て

  • 価格

    家づくり相談をいただいた方限定でお教えしております

  • ご趣味

    ドライブ