OWNERS BLOG社長ブログ
素材探求の旅 小田原
2024年01月19日
皆様、如何お過ごしですか。
DIPの佐山です。
昨年末から11連休という長い休暇をいただきましたが、
1月も後半の現在は、全員 「ものづくりモード」にて慌ただしく動いております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
兼ねてから行きたいと想っていた江之浦測候所に行って来ました。
杉本博司さんは、「海景」の作品をはじめて見たときから好きなアーティストです。
数年前に直島に行った時に見た、地中美術館にある作品や、神社のトンネルが印象深く残っています。
設計・デザインは新素材研究所と榊田氏です。
建築各所には繊細なディテールが施されていますが、それよりも、海と自然と天空、さらに建築と外構を全て同時に感じられる
構成が唯一無二の施設です。杉本さんが仰ることには、1000年後の人類が見たときに遺跡のように残る場所と建築を残す、つまり
「日本の文化の技術」を1000年後の人達にも分かってもらうことが、この建築群と自然と外構の思想のようです。
1000年先、、、 みなさんは想像できますか?
夏至光遥拝ギャラリーの先端=展望スペース 腰硝子の手摺りが細く美しい。
ステンレスFBのディテール 艶は消している(たぶんバイブレーション仕上げ)
夏至光遥拝ギャラリーの入り口 大谷石とガラス
ギャラリー内部 長さは100mとのこと。 床は洗い出し仕上げ
大谷石と洗い出し床との取り合い。 巾木はもちろんありません。砂利は蛇紋岩のようにみえますが、、
冬至光遥拝隧道 写真右は「光学硝子舞台」
このスチールの隧道を歩いて行くと下に落ちて、たぶん死んでしまうと思います。
中央の丸い石と縄は「結界」をあらわしているそうです。
ただ、不思議と、手すりが無い中でも先端まで歩いてみても怖くないのは何故なんでしょう。
歩いたみなさん、同じ気持ちになるそうです。
前方は相模湾。
普段、設計やデザインをする中で、この建物は何年住み続け、使い続けられるだろう、と考えます。
わたし自身は、設計・建築の世界に30数年おりますが、外力(地震や台風)による損傷がなければ
300年は経年できると思っています。4世代くらいでしょうか。
この建物のように、石やガラスや鉄は劣化が少ないですが、木造は弱点が多いです。特に湿度系。
解決策は様々ありますが。
100年後に建て替える家か、100年ごとに継承される家か。美しい建築の価値観は変わらないか、または
再評価されるか。
建築(家も)に注いだ「こだわり」が強い分だけ、経年する年数も長くなるはず、と改めて感じた旅でした。