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店舗併用住宅のすすめ ~DIP版 職住一体の家づくり7選~
2024年03月26日
左:美容室ヒガノ 右:職住近接お互いの時間を大切にする夫婦のリノベーション住宅
DIPでは、これまでに美容サロン・カフェ・飲食店などの店舗を数多く設計デザインしています。
店舗では「非日常性」を演出することも重要です。
DIPのデザイナーは、限られた予算や工期のなかで、オーナー様から求められる要望、要求を具現化するための数多くの引き出しを持っています。
そこで今回は、DIP建築都市設計事務所代表の佐山利光氏に、店舗併用住宅の施工例の中から、店舗併用住宅づくりのポイントを伺いました。
目次
1.店舗併用住宅づくりのポイント
立地条件、店舗の規模、業種業態などによりさまざまですが、店舗併用住宅では、以下の点を考えながら、プランをすすめていきます。
1-1.生活感を出さない
ゴミ置き場、ポスト、洗濯物干しなど、人が住んでいる気配をお客様に見せない工夫をこころがけています。
1階に店舗、2階に居住スペースをゾーニングする場合、2階バルコニーの手すり壁を通常より高く立ち上げて、下からお客様が見上げても、生活感がでないように配慮します。、田村動物病院、すし亭ゆずなども2階に居住スペースがありますが、住まいの気配を消していますね。
1-2.お客様と家族の生活動線を分ける
今回は、飲食店、美容室、動物病院、ガラス工芸作品ショップ兼アトリエをご紹介しましたが、「特別な日」に利用するショップや飲食店の場合は、家族とお客さまの動線を分けて計画します。
ただ、1人で経営するサロンでは、白いヴォールトの家のように、入口を住宅店舗共通にして、お客さまも気軽に来店し、家族ぐるみでお客さまをお迎えするスタイルもあります。
特に子育て中の主婦にとっては、仕事中に子どもたちの様子を見守りたい場合もあるので、お客さまの目指す店舗のスタイルを伺いながら、お客様にあったプランを柔軟に提案しています。
2.店舗併用住宅の施工事例
2-1.動物病院+住宅
1階が動物病院、2階が居住スペース。2階のバルコニーの手すり壁を高く立ち上げて、生活感を出さないように配慮しています
動物クリニックアプローチ。居住スペースへの出入り口は別になっています
居住スペースへの出入口は建物側面から。玄関ポーチの照明も、正面からは見えない。住んでいる気配を消す仕掛けに。2階を見るとベランダの手すり壁がサッシの高さまであり、洗濯物が見えないように配慮されています。
動物病院の受付、待合室
診療室
2階にある居住スペースの気配が感じられないように、玄関アプローチを引き込み、2階の手すり壁を高く立ち上げています。
2-2.和食店+自宅 すし亭ゆず
宇都宮市内にある寿司・懐石料理などの人気店。2階の手すり壁を高く立ち上げており、2階に居住スペースがあることに気がつく人はほとんどいない。
すし亭ゆず
2-3.ガラス工芸作家のショップ・アトリエ+自宅
レンガ貼りの部分がショップ(右側)とアトリエ(左側)。外壁が黒い部分が居住スペース
居住スペース専用出入り口が目立たない形で設けてある。
ショップへの入口部分。靴を脱いでショップに入る。作品はおもにインターネットで販売されている。
ショップの反対側にあるアトリエ。右手にみえる中庭をはさんで、居住スペースのリビングの様子を見ることができる。
「併用住宅のいいところは、通勤時間ゼロ秒という無駄のなさと、仕事をしながら、ふとした時に子どもたちの声が聞こえてきて、癒されるところでしょうか」とお施主さま
ショップの奥にあるヴィンテージの引き戸をあけると、居住スペースにつながっています
2-4. 美容室+フルリノベーション住宅
お客さまとスタイリストが1対1で向き合うスタイルのアットホームな雰囲気のサロンと敷地内にある父上が普請されたご実家をフルリノベーションしたご自宅。
DIPでは、設計デザインにとどまらず、サロンのロゴサイン、インテリアや音楽にいたるまでをサポートしています。
最初に手掛けたのは、左側の建物、ビヨウシツヒガノ。右側は2階建だったオーナーのご実家。
ビヨウシツヒガノ竣工に続き、右手のご実家を平屋に減築、フルリノベーションして、職住近接住宅として暮らしていらっしゃいます。
ビヨウシツヒガノより引用
施術時間をくつろいで過ごせるように、インテリア・エクステリア、家具、照明器具選びにとどまらず、BGM音楽のセレクトにいたるまで幅広くサポートさせていただいております。
マンツーマンサービスのため、1人でスムーズに作業ができるように、収納スペースや作業動線を検討
ご自宅LDK。父上が普請されたご実家をフルリノベーションして住み継いでいます。みごとな梁は、新築当時の構造材を塗装仕上げしたもの。「ワクワクする空間になりました」とお施主さま
職住近接。お互いの時間を大切に過ごす 夫婦のフルリノベーション住宅 ビヨウシツヒガノ
2-5.美容サロン+自宅
「以前は自宅とサロンそれぞれ賃貸契約をしていましたが、DIP社からの紹介で土地を購入して1Fにマツエクサロン2Fに自宅という店舗併用住宅を提案していただきました」とお施主さま
住宅と店舗2カ所賃貸から、美容サロン+自宅のオーナーになったメリットは次の2点に集約できるとお施主さま。
①2軒ぶんの賃料を払うことを考えると、将来自分の資産になるという経済的なメリット
②階段を上がるだけでプライベートの暮らしにもどれるので、自分の時間を確保できるようになった
玄関は1つで、家族は階段を上がり2階の自宅に直行できる。階段ホール前の引き戸を閉めれば、サロンと住宅は分離できます。2階LDKの3連窓が外観のアクセントに。道路側にはバルコニーを設けず、生活感を出さない外観に
2Fご自宅LDK。
2-6.2席の美容サロン+自宅
看板やサインをあえて設けない2席の美容サロン(1階)とご自宅(2階)
店舗と自宅の玄関を1か所にまとめたプラン。
右手がサロン、左手が2階の居住スペースへの階段に繋がっています。
サロンは、お施主さまの奥さまがスタイリストとして働き、家族みんなでお客様を迎え入れるイメージ。看板もなく、住宅に付随した、アットホーム感漂うプライベートサロンに。
家族が帰宅すると、仕事中の母親に「ただいま」と自然に声をかけることができる。母親も仕事をしながら子どもたちに目配りできる。しろいろヴォールトの店舗併用住宅は、住宅のなかに、美容サロンを併設したイメージ。
スタイリスト1名で、最大2名のお客さまが利用できるように計画している
2階の自宅LDK
3.思い描いたイメージを具現化する併用住宅を提案します
DIP建築都市設計事務所は、栃木県宇都宮エリアを拠点に「Identityのある住まい」づくりを20年以上にわたり手がけ、これまでに2,300軒の住宅・店舗の建築に携わってきました。
家づくり、お店づくりを主軸にしながら、世の中の人が本当に必要とする住衣食+αで心身を満たすことがDIPの目標です。
店舗併用住宅の計画に際しても、計画している店舗の業態、住宅とのバランス、立地特性、などさまざまな視点から、お客さまの目指す店舗併用住宅の具体化に向けて、デザイン性・機能性を兼ね揃えた、集客力のある店舗づくりを提案します。
DIPでは、業態にあった土地選定、顧客層に合わせたサイン計画から名刺、フライヤーなどの細かなコーディネート、資金計画作りなど 店舗併用住宅の経営に必要な広範囲なデザインをフルサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談にいらしてください。相談予約はこちらから
- 監修
佐山 利光さん
株式会社DIP建築都市設計事務所 代表取締役。 一級建築士。
事務所名DIPの由来は、D(Dream お客様の夢)I(Identity)P(Partner)〜それぞれのお客様の住まいに対する夢を実現するパートナー〜という企業理念による。
建築家の作品ではなく「その人らしい家づくり」を大切にして、常にお客様によりそった住宅・店舗づくりを提案している。
創業以来、住宅および店舗合わせて2,300棟以上の新築・リノベーションプランに「お客様のIdentity」を投影した建築を手がけている。
- ライター
藤江 薫
二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター。電鉄会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」として、7年間で1,000組以上の住まいの進路相談を担当。不動産購入・売却・新築・建て替え・リフォーム・住みかえなど、問題解決のために、さまざまな選択肢を提案する。セルフビルドの自宅でバードハウスを製作している。