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家族をやさしく照らす住まい~DIP流 光と照明のデザイン~
2024年03月17日
森に開く平屋
「くつろげる空間がほしい。どんな点に気を付ければいいのだろうか」
「『帰りたくなる家』づくりのポイントって何だろう‥」
自分らしい住まいづくりをする時に、考えたい要素の1つが照明・光の演出です。
そこで今回は、DIP建築都市設計事務所代表の佐山利光氏に、実際にDIPで施工したさまざまな空間の照明・光の演出にフォーカスしてお話を伺いました。
目次
1.照明・光の演出 3つの基本
1-1.心地よい光とは?光の質にこだわる
住まいに関わる光には、太陽光などの自然光と、照明器具からの人工光があります。
季節、天気、時間帯や室内の状況によって、自然光や人工光を使い分けることによって、心地よい光環境を作りあげます。
朝・昼・晩・夜‥ 時間帯や季節によって、心地よい光は変わってきます。
目的や使い方によっても心地よい光はさまざまです。廊下の先にある窓から入る柔らかな自然光に魅力を感じる人もいれば、障子ごしの光が好きという人もいて、人さまざまです。照明計画の際には、それぞれのお施主様の好きな光について、ご要望を確認しながら計画します。
逆に心地よくない光も存在します。
たとえば、太陽光やスポットライトが直接目に入った時に感じるまぶしい光です。照明の世界ではグレアといいます。
グレアを感じる時は、照明であれば、調光により光をコントロールしたり、光の方向を変える、グレアレスタイプの電球を選び、自然光であればブラインドや障子、カーテンなどで光を遮る工夫をします。
寝室やこども室でベッドの枕の位置にダウンライトを配置しないのも、グレア対策です。
1-2.間接照明を効果的に使う
DIPは、事務所開設から間もなく25年になりますが、この間に、ご相談者の光や照明に対する意識も大きく変わってきたと感じています。
最近はピンタレストやインスタグラムなどSNSをご覧になって、洗練された間接照明、建築化照明を効果的に取り入れたいという方が増えています。
10組のお客様がいらっしゃれば、ほぼ10組すべてが、間接照明を希望します。
間接照明の種類は実に様々ですが、何を照らしたいのかによって選び方は変わってきます。
代表的なものが、質感のある壁面を照らすことによって、壁を際立たせる効果のあるウォールウォッシャーやコーニス照明で、上の画像のように、LDK・エントランス・廊下などでよく使われます。
Birdsong House NASUは、東京から那須に移住して、自宅内に仕事場を持つご夫妻の住まいです。計画段階から、仕事とプライベートを切り替えるために、廊下を長く取り生活空間をワークスペースをつないでいます。
長い廊下には、天井を照らすコーブ照明(間接照明)を中心に、ところどころにダウンライトをいれて、廊下を歩くうちにONとOFFを切り替えられるように計画しています。
1-3.陰影のある空間をつくる
時間や天気、季節によって、自然光は変化します。夜になれば照明をつけて明るさを補い、日中日差しが強すぎる時にはカーテンや障子で日差しをやわらげます。
また日中であっても、エントランスホールのニッチなど住まいの「見せ場」では、そこに飾るオブジェや絵画にフォーカスしてスポット照明を用意します。
玄関ポーチをへこませてアルコーブにしたり、玄関ホールにニッチ収納を設けて照明を仕込んでおけば、自然に室内の明るさに濃淡がでてきて、心地よい空間になります。
自然光というのは太陽光にかぎらず、月明りや、薪ストーブの炎などもあります。さまざまな光を組み合わせて楽しむと、心地よい表情ゆたかな空間になります。
電球や蛍光灯が主流だった時代は、照明といえば部屋の中心に灯す、シーリングやペンダントが中心で、室内をひたすら明るくすることが照明器具の役割でしたが、注文住宅では、照明は床や壁、天井に組み込む設備、建築化照明や間接照明をベースに考えたいという人が増えており、DIPでも空間にあった、効果的な間接照明をデザイン、提案しています。
2. DIP施工例の照明ルームツアー
2-1. 外観:「帰りたくなる家」には家族を出迎える光がある
「新旧の家が密集する屋敷町の家」は、路地が多く、昭和の建物が現存するような街並みのなかにあります。東京でいえば谷中や根津のようなたたずまいの街です。
建て込んだ路地を曲がると、2階リビングの窓や、飴色の玄関ドアのあたりが暖かい光を放って出迎えてくれるのですから、早く帰りたくなりますよね。
窓は、ふだんは室内への採光手段として考えますが、夜になれば、外部に向かって光を放ち、地域のランドマークのような役割を果たすこともできます。
「帰りたくなる家」のポイントの1つは、優しく出迎えるような、家族の気配を感じさせる、窓を含めた照明計画にあると考えています。
城址公園の店舗併用住宅でも、2階の3連窓からの光が、外観のライトアップに大きな役割を果たしています。
帰りたくなる家の照明計画では、人の気配の感じられる「窓からの光」も重要
城址公園の家上の画像、2階右手にある正方形の窓はワークスペースの窓で、春には仕事をしながらお花見ができる窓です。
窓のところにダクトレールを仕込んであり、気に入ったデザインのペンダントに出会ったら、この場所に吊るす予定で、楽しみにしていらっしゃいます。
灯のともっている窓というのは、そこに暮らす家族の気配を感じさせてくれます。
なんだか家路を急ぎたくなりませんか?
木虫籠を使い、街のランドマークとなる住宅
「木虫籠(きむすこ)」という金沢の町家でよく使われてきた格子をかたどったエクステリア。庭をライトアップすると、家の中の気配がぼんやりと伝わってきます。建物自体がスケールの大きな照明器具となるような楽しさがありますね。日中はプライバシーをまもりながらも、室内に快適な風や日差しを取り込めることも木虫籠の魅力です。通行量の多い市街地の住宅などで提案するケースが多いです。
2-2.アプローチの照明
アイアン装飾のある玄関ドアと表札のコーディネートのバランスが美しい玄関まわりです。ポーチ灯の光が天井や壁に反射して美しい模様を描いています。
2-3.エントランスホールの照明
アクセントウォールを照らすコーニス照明を効果的に使ったエントランスホール。質感のある壁は、光によって、立体感が際立ちますね。大谷石、アイアンなど素材の魅力を引き出したい時にも間接照明を効果的につかいます。
2-4. LDKの照明
🔳ウォールウォッシャーなど間接照明とペンダントをコーディネート
テレビボードのあるアクセントウォールは、間接照明(コーニス照明)、ダイニングテーブルの上はライティングダクトレールに取り付けた3連のペンダントがアクセントに
間接照明のパイオニアLuci社の担当者も交えて、本棚やディスプレイ棚にもバックライト照明や棚上照明を仕込んでいます。Luciの間接照明はジョイント部分にも影が生じず、加工性に優れた最先端の間接照明アイテムがそろっているので、担当者と相談しながら、最先端の間接照明も取り入れています。
照明器具そのものは目立ちませんが、キッチン・ダイニングそれぞれバランスのいい照明器具がレイアウトされています。
Luciの棚バックライト照明は、シームレスにつなぐことができるため、ジョイント部分に影できません。
■フタガミ社のペンダントライトを使った、ヴィンテージ感漂うLDK
パークサイドハウスのお施主様は、素材感や質感を大切にしています。LDKや和室への出入り口には、ヴィンテージ建具を上手に取り込み、ダイニングテーブルには、フタガミ社の真鍮製ペンダントライト「明星」を設置。手仕事ならではの美しさを楽しんでいます。
■シャンデリアのあるLDK
お施主様からのご要望があれば、必要な下地補強をおこなったうえで、重量のある照明器具を設置することもあります。
2-5.LDKを彩るアクセント照明
フロートタイプのリビングボードの下に間接照明をつけて、浮揚感のある照明に。テレビの背面の壁裏に配線を隠して、すっきりとした空間に。
🔳ディスプレイを楽しむニッチ照明
2-6.ワークスペースの照明
🔳自然光と庭を楽しむワークスペース
リモートワークで終日ワークスペースで仕事をすることの多いお施主さまの仕事部屋。日中は掃き出し窓からの自然光とダウンライトで作業しています。季節や時間帯によって、デスクの正面に庭の樹々の影が写り込みます。
🔳桜を楽しむピクチャーウィンドウのある仕事部屋
桜を楽しめる公園ビューにあるワークスペース。ピクチャーウィンドウの幅で、ライティングダクトを設けています。将来、気に入ったペンダントを入手したら、この窓辺に飾る予定で、お施主さまも楽しみにしています。夜この部屋で仕事をしていると、窓からの光が、建物を美しくライトアップ。
2-7.和室の照明
床の間と、障子の外側に間接照明を仕込んだ和室。まさに陰翳礼讃のライティング。
2-8.洗面所の照明
鏡裏照明を鏡の上下につけたホテルライクな洗面化粧台。ドアを開けると、窓から入る自然光と風も楽しめます。
職住近接。お互いの時間を大切に過ごす 夫婦のフルリノベーション住宅
平屋に減築して、フルリノベーションした住宅の廊下に面した洗面所。鏡裏面照明と足元の間接照明に加えて、天井のトップライトから自然光が届き、心地よい空間に。
2-9. トイレの照明
鏡裏間接照明を使ったホテルライクなトイレ。
3. 心地よい光と陰影を楽しめる住まいへ
DIP建築都市設計事務所は、栃木県宇都宮エリアを拠点に「Identityのある住まい」づくりを20年以上にわたり手がけ、これまでに2,300軒の住宅建築に携わってきました。
DIPには、ハウスメーカーや、工務店との家づくりにあきたらず、自分たちらしい住まいを素材やディテールまでこだわって作りたいというお施主様がご相談にいらっしゃいます。
住まいに対するご要望も、こだわりもそれぞれですが、まずはお客様の「Identityのある住まい」づくりによりそって進めていきます。
DIPが10年先のゴールとして目指しているのは、家づくりから派生するQOL(クオリティ・オブ・ライフ)のコーディネートです。
「何よりも大切にすべきは、ただ生きるのではなく、よく生きること」「より多く」よりも「より良く」「物質的な豊かさに満たされた生活」よりも「毎日が充実し、心身が満たされた生活」を目指した住まい作りを大切にしています。
今回のテーマである照明・光は、これからの住まいづくりにおいても鍵になる要素です。
DIPでは、自然の光、人工の光両方をコーデイネートして、心地よい陰影のある、自分らしい住まいづくりを実現します。
自分らしい住まいづくりのご相談は、DIP建築都市設計事務所におまかせください。
- 監修
佐山 利光さん
株式会社DIP建築都市設計事務所 代表取締役。 一級建築士。
事務所名DIPの由来は、D(Dream お客様の夢)I(Identity)P(Partner)〜それぞれのお客様の住まいに対する夢を実現するパートナー〜という企業理念による。
建築家の作品ではなく「その人らしい家づくり」を大切にして、常にお客様によりそった住宅・店舗づくりを提案している。
創業以来、住宅および店舗合わせて2,300棟以上の新築・リノベーションプランに「お客様のIdentity」を投影した建築を手がけている。
●ライター
藤江 薫
二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター。電鉄会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」として、7年間で1,000組以上の住まいの進路相談を担当。不動産購入・売却・新築・建て替え・リフォーム・住みかえなど、問題解決のために、さまざまな選択肢を提案する。セルフビルドの自宅でバードハウスを製作している。