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「TRUCK」があるスキップハウス

“素材を活かした安らぎの空間、思い描いたカタチに”

愛車のビートルを降り、薄明かりに照らされたアプローチを進む。玄関を入ると現れるカフェのような空間。室内は無垢の木がふんだんに使われ、集成材などの加工した木材にはない風合いや温かみがある。リビングの大きな窓は、自然光を取り込むデザインで光と緑を感じさせてくれる、ミズコシさま夫妻のお住まいだ。

「こんな家に住みたい!という思いを見事にカタチにしていただきました。自然素材を中心とする家づくりは理想でしたし、ポロッとこぼした言葉まで拾っていただき、そんな細やかなスタッフの対応も好印象でした」そう振り返るミズコシさま夫妻。

実家のゆったりした敷地、約450坪のなかに新築した家は「スキップフロア」を持つ平屋建てだ。 一般的な2階建ての家の場合、1階の床から2階の床までの高さは3.0Mほどになるが、ミズコシ邸の場合1階床から中2階床までの高さは約1.9Mとし、中2階から2階までの床高さは0.8Mとしている。1階のリビングから中2階の寝室までそして2階の子供部屋までの高さが低く、通常の階段より歩く長さが短いので、家全体の一体感とともに、心地の良い開放感を得られる。これはスキップフロアの大きなメリットだ。

スキップフロアタイプのプランを採用したのにはもう一つ理由があるとDIP佐山さんは言う。 それは、新築した家の北面に正対して、つまり実家の南側にミズコシ邸は建てることが決まっていたので、高さの圧迫感をお父様お母様に与えない配慮からである。同時に建物配置上でミズコシ邸側に配慮したことは、母屋から見られ過ぎないよう窓の大きさと設置位置をデザインし、プライバシーを確保しながら明るく家族のつながりを感じられる家にすることを目指した。

一見すると平凡な片流れ屋根に見えるが、南側から見ると屋根の位置がズレているのがわかり、シンプルでありながら存在感のあるこの家。フロアを積み重ねていった空間を利用して陽の光を導きこむ設計となっている。一階部分の天井はあえて梁をみせ、その奥の窓を通して視線が抜けることで想像以上の開放感を。そして、リビングを中心とした内部空間に家族の声が響きあっていく。

もっとも広いリビングルームは、一家のお気に入りである大阪の家具ショップ『トラックファニチャー(TRUCK FURNITURE)』のソファを配置。『「TRUCK」があるスキップハウス』というコンセプトは、このブランドの家具を据えることによって決まったと言っていい。

「トラックファニチャーの家具が似合う住まい」というのは、昔からミズコシさまがこだわっていたことのひとつ。少しレトロでヴィンテージ風のインテリアアイテムとよく合う、落ち着いた形のこのソファ。コーデュロイを使ったこのトラックファニチャーのFK SOFAは誰もが虜になるほどの座り心地だとか。

その家具のセレクトを、受け止めているのが空間の質だ。優しくて軟らかさが伝わってくるオーク材のフローリングは使い込むほどに非常に深みのある色や質感になり、家族のものになっていく。トラックファニチャーの家具がなじむ空間は、無垢材を基本に、造作家具や建具に使うそのひとつひとつまで吟味して組み合わせている。いずれも歳月を経て美しさを増すものばかりだ。

造作した家具は、空間のイメージを考慮した上で、DIP佐山さんが提案したもの。使い込むほどに味わい深くなっていくトラックファニチャーの家具は、同じく経年変化が楽しめる無垢のフローリングや、アイアン素材との相性が良い。インテリアの核となるソファを中心に、木や鉄、素材本来の魅力を引き出しながら数年後の色のことまで考えている。

窓やドアなどの建具、造作家具にデザイン性をおき、間取りを考える時点から、何をどう配置するか検討していけば、家具は自然と引き立っていく。パーツや小物選びにもこだわりをみせた。 例えば、ユニークなキッチンのライトは、富山の老舗である真鍮鋳物メーカー『FUTAGAMI』というブランドをチョイス。使えば使うほど表面が酸化し、独特の味わいの出る真鍮が、人と場所に馴染んでいくサマを思い浮かばせる。

存在感のあるキッチンや洗面台のタイルは、1900年代のニューヨークの地下鉄駅構内で使われ、アメリカではキッチンやバスルームでお馴染みの『サブウェイタイル』。太い目地ラインを活かしたインパクトが、コンクリートやステンレスといったクールなイメージの素材と絶妙にマッチ。本来楽しみたい木の温もりを活かしたライフスタイルを十分に引き出してくれる。

もちろんただ家具を置いていくだけで、違和感なくインテリアに調和させることは難しい。色合いは何度も検証を重ね、お互いが満足するまで微調整を重ねながらカタチを整えていったという。こうして、木や鉄が持つ素材感を大切にしたインテリアができあがっていったのだ。

また「程よい距離感を保ちながら、実家とミズコシ様ご家族がつながる経路をつくりたかった」と話すDIP佐山さん。敷地内同居という独特の生活スタイルが、家族の交流に一役かっている点も見逃せないポイントだ。ビルトインガレージの入口や主玄関を実家側に配したり、建物の大きさも実家よりもコンパクトかつシンプルにすることで、2世帯それぞれの家族の気配が感じられるようになる。DIP佐山さんはそんな想いを込めて、今回の意匠設計に望んでいた。

好きな素材や採光の気持ちいい空間に、施主好みの家具やインテリアが映える。「リビングで家族の様子を眺めながら過ごす時間が一番リラックスできます」と、夫妻ともに居心地の良さを日々実感する、そんな住まいが完成した。

  • 作品名

    「TRUCK」があるスキップハウス

  • 所在地

    茨城県 筑西市

  • 家族構成

    ご夫婦、ご長男(4歳)

  • 居住年数

    1年

  • 居住タイプ・構造

    木造平屋建て

  • 延床面積・間取り

    154.11u(46.7坪)4LDK

  • 価格

    家づくり相談をいただいた方限定でお教えしております

  • ご趣味

    アウトドア、釣り、読書