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COUNSELING ROOM家づくり相談室
CASE 01(宇都宮市/30歳 主婦)
現在設計中の街と家を繋ぐプロジェクト。 公開空地も取り入れ、街並みに「優しさと柔らかさ」を生み出し育ててゆくのがコンセプト。
目立つ家、目を引く家ってどんな風につくるのですか?
ANSWER 01

むずかしい質問ですね。
私がいつも考えていることは「目を引く家」というのは街の中で素敵に存在することだと思います。それも20年、30年、50年と・・・。
素敵に存在、というのはその建物(住宅)が人の眼にどう映り込むかという事よりもその周辺街区にどれだけ寄与できているかが大切なポイントです。
街に与えるポイントはファサード、色、素材、公開空地、植栽、ガーデン、照明、等など沢山あります。
お住まいになる「街が喜ぶ家」を作るといいと思いますよ。

CASE 02(宇都宮市/39歳 会社役員)
【左】:緩いカーブを描く階段(知性の家) 【右】:2階と中2階を繋ぐ階段(ガレージと中2階のある家)
個性的な階段ってどんなものがありますか?
ANSWER 02

設計を綿密にして、環境で制作した階段は個性的です。
昨今のアルミやスチールのスケルトン階段は既製品がありますのでそれほど個性的ではないように思います。
ご自分の歩く、昇る、降る、の丁度いい感覚を寸法や形態に落し込み、創ると個性的でいい階段になりますよ。昇り降りも楽しくなるといいですね。

CASE 03(宇都宮市/33歳 主婦・会社員)
①:鉄と葡萄棚の家の洗面所 ②:アトリエソエタ手洗い ③:鉄と葡萄棚の家のペンダント照明  ④:中庭のある家のトイレ ⑤:Re・GALVOのエントランス扉 ⑥:手塚駄菓子店の窓 ⑦:鉄と葡萄棚の家の洗面所入り口 ⑧:ハイブリットな家の置物 ⑨:八寸庵花子の露地窓  ⑩:さくらの家階段 ⑪:大谷石と平屋のニッチ ⑫:yarraのソファー  ⑬:湖の家の外構石積み
「なになに風のイメージ」を持つことは家づくりに必要ですか?
ANSWER 03

特に必要ないと思います。ご自分の好きな物をじっくり見つけ出してゆけばアイデンティティーのある自分風の家が出来上がりますよ。 ~~風のように似て非なる建築を創るのであれば宝箱がたくさんある「私達だけの空間」を考えてみてはいかかがですか?

CASE 04(宇都宮市/31歳 主婦)
【左】:小山市、三夜通りの家、駅西口至近の旧繁華街。筋名の通り古くからお茶屋的な夜の街であり近年は静かな昭和のワビさびを感じさせる場所。 町屋をイメージして格子戸と中庭を組み合わせたファサードデザインとしました。 【右】:宇都宮市の「清澄通り」にある家。通り名とは裏腹に様々な用途、築年数の建物が混沌とたたずむロケーション。 「シンプルで静的な建物」をキーワードにファサードをデザインしました。
家の外観はどんな風に決めていけばよいのでしょうか?
ANSWER 04

どんな建物にも共通することは、竣工するとその建築物は、街や自然の中に存在し続けるということですね。 自分の建物(家)がどんな姿(イメージ)でたたずんでいて欲しいか想像できますか?
「主張するのか、溶け込むのか、歴史性を醸し出させるか、新鮮で街のランドマークになりたいか、控えめに自己主張したいか・・・」
それがイメージできれば外観構成に必要な色、形、素材がイメージ通りに決まっていきます。
私はいつも建主の方のアイデンティティーを表現したいと想って設計デザインしています。

CASE 05(宇都宮市/32歳、28歳 ご夫婦)
A:千本格子戸から東障子を見る B:正面の白建具と硝子障子のバランスがきれい。 C:硝子面のゆがみも美しい。 ※写真は3点とも「硝子作家の家」2014年2月竣工
日本的なデザインが二人とも好きです。
私は「和風」というのでは無く、叙情的な陰陽の雰囲気なのですが、主人は「和モダン」かなぁ、と言っており二人の意見がまとまりません。
こんな時はどのようにすればよいのでしょうか。
ANSWER 05

共有するのは日本的なデザインという「言葉」ですね。視覚的イメージが湧かない時にはお互いに手紙を書くように好きな言葉を綴り合うと良いですよ。デザインの引き出しは少なくても言葉の引き出しは沢山あると思います。二人とも同じ好きな言葉が見つかればまずは一歩進みます。
「日本的」という言葉を建築家として私なりに考えてみると、手仕事とか職人技とかいう引き出しが開きます。木や石や漆喰の素材を専門職の職人が丁寧に仕上げてゆく。
現代のいわゆる新建材と言われる既製品とは異なる品ですね 。そんな職人が創りだしたモノを使いながら空間を構成するといいかもしれません。 本物は経年してもその美しさは色褪せませんし、深みが増します。

CASE 06(宇都宮市/31歳 エンジニア)
1:正面玄関アプローチのファサード全景 夕刻、家の敷地内にはいるとまずこの灯りが家族を迎えてくれる。 2:その玄関アプローチを見通す。通り抜け出来る空間。 右手は塗り壁の鏝仕上げ。 木製ルーバーの裏面に照明を仕込み陰翳のある玄関としている。 3:玄関の吹き抜けの短形窓硝子に取り付けた照明。 漆器のような濃茶色のガラスグローブに金箔を施している。 箔の継ぎ目に見られる意匠があたらしい和の感性を感じさせる。
「帰りたくなる家」ってどこかのコマーシャルで聞きました。どんな家なのでしょうか。現在、注文住宅を検討中です。
ANSWER 06

難しいご質問ですね。答えは沢山ありますが、一つの考え方をお話しさせていただきます。
多くの方々は朝からお仕事をして夕刻または夜には退社され家路につくのでしょう。
一日働いて少し疲れた心と体を抱えながら家路を急ぎ、我が家の門前に来た時に「どんな風景が自分を出迎えてくれるか・・・」これが、とても重要な気がしています。
日常のストレスをほんの少し忘れ去るドラマティックな空間が作れるといいと思っています。

CASE 07(宇都宮市/29歳 主婦)
A:キッチンをダイニング側から見る。ペンダント照明のグローブはベネチアンガラス。 B:キッチンからスケルトン階段を通して中庭を見る。 C:キッチン前のカウンター。カウンター前の立ち上がりは平田タイル製 D:玄関からリビングに入る前に一呼吸するためと来客の視線をほど良くカットするための特注木製建具。格子の中には建て主様の名字であるNOMURAが隠されている。 E:スケルトン階段。手すりはスティールFBでデザインしたもの。 F:8種類ほどの樹種で構成したリビングの飾り壁。厚みも全て違うので表面は不思議な凹凸感があります。 G:リビング壁の一部に「孔」を開け天板に大谷石を置いた化粧室。 H:穴から階段を見る。 I:穴から飾りをみる。J:ダイニングテーブル横のニッチ。四季によって飾るものが変わるので季節感を出せる場所。
広さは求めていないのですが、「楽しい家」ってどんな風に設計する家なのでしょう。言い換えれば、「つまらなくない家」、ということだと思うのですが(宇都宮市/29歳 主婦)
ANSWER 07

「楽しい」の定義がなかなか難しいですね。
すべり台がある家という答えではないと思うのですが。(笑)

01:お仕事が終わって、または、買い物や外出先から、我が家に帰るのが楽しみな家。
02:家族が集まって過ごすエリア(リビング、ダイニングなど) にテレビが映っていなくてもみんなで自然と居場所があって、なんとなく会話が楽しみになる家。
というようなことでしょうか。

スポーツや映画をご家庭で観ながら盛り上がるのも楽しいですが、テレビに頼らずに自然と家族の顔を見ながら、楽しい話をすることも大切ですよね。
ご自分でカフェやレストランを経営するイメージで、家族をもてなすお店のような空間づくりをすると上記のような「楽しみな・・」、が出来上がると思います。

CASE 08(宇都宮市/32歳 会社員)
(A):星をみたり、お互いをみつめたりする家(宇都宮市) (B):鉄と漆喰の家(高根沢町) (C):図書室と中庭のある家[自然素材の家](宇都宮市) (D):さくらの家(さくら市)
「美しい家」という言葉を聞きました。 年数がたっても美しい家って存在するのでしょうか?またそういう家は私でも建てられますか?

ANSWER 08

「機能と様相」という言葉があります。人が使う「モノ」には機能性が求められ、 同時にモノの様相が自分の感性に合っていると大切にしようと思いますよね。 建築も同じで、住宅にも様々な機能が求められます。品確法の10項目が代表的な機能性です。 そして建築での様相とは、空間の状態の見えがかり、外見、あらわれ、表情、雰囲気、たたずまいなどと表記します。 経年しても美しい家とは「機能と様相」が充分に検討された家です。焦らず、じっくりと、集中して計画することでどなたでも「美しい家」は建てられます。

CASE 09(宇都宮市/30歳 主婦)
(A)~(E):鉄の葡萄棚のある家 (F)~(K):運動公園の家 (L)~(O):イロハモミジの家 (P):大階段のある家
カフェのようなインテリアとその雰囲気がある家に憧れています。 ただ、あまり「甘過ぎない」ようにしたいのですがどんなところに気を付ければよいのでしょうか?
ANSWER 09

①思い描くイメージをまず「言葉」に置き換えてみる。 ご質問の中にあるように"甘すぎない"とか、"昭和の和モダンで六角タイルが好き"、とか"やわらかい素材が好き"というような抽象的な表現でもよいので、言葉を作ること。

②次にそれを絵に描いてみる。それは色と形に表現してみることで「言葉のイメージ」に奥行き感をつけてみるのです。 (私ども建築デザイナーは常に①②を繰り返しているのでした…。)上手く描けなくても大丈夫です。 設計者やデザイナーまたはパートナーに伝わればいいのです。もちろん口頭での補足は必要ですね。

③そして素材や商品(家具や照明)を選んでゆきます。いきなりここから始める人もいますが、①②の過程がないと迷うばかりですね。 本物の素材や、長く愛用できる家具や照明を一か所でもお使いになると恒久的に素敵な空間になります。 そこが永く住まう住宅と定期改装を前提とした店舗の違いでしょう。

CASE 10(宇都宮市/40歳 主婦)
リゾートにあるような雰囲気の家は宇都宮の市内でも建てることはできますか。
ANSWER 10

建てる場所のロケーションが住宅地内であっても可能ですが、出来れば敷地選定から私共も関わらせていただくとよりイメージに近い家が創れます。
DIPでは建築家の眼で見た土地探し及びその選定も行っております。
建物と外構はお互いの魅力を惹きたてあうのでどちらもこだわって設計・デザインします。
そこにインテリアデザインが融合されてきますので、この三つの要素が一つのデザイン思想で繋がらないと素敵な家はできません。
インテリアだけでも駄目ですし、外構だけ良くても「リゾート」にはなりませんね。

CASE 11(益子町/19歳 短大生)
四角い直線の家や勾配のきつい屋根が好きになれません。やわらかい感じの家ってないですか?

I can not like squared straight houses and sloping roofs. Do you have a house with a soft touch?
ANSWER 11

「やわらかい」は、ものの性質がしなやかな様子を表わす形容詞。転じて、人の気質や態度が穏やかで硬くない様を指します。 人や動物の動き、川や風の流れは主に直線ではなく曲線を描きますよね。 そのような流動的な動きに対し、人はやわらかさや優しさを感じ、曲面表現はその気持ちに合致するのではないでしょうか。 建築のデザインには、その形状に至った理由が存在します。 「やわらかい」を表現する為に曲面を使うことは間違いではありません。 機能的に優れている物は視覚的にも美しく、意味のある形になるのではないかと思っています。 曲面を実現させるためには構造、造形、空間、環境の4項目を詳細にチェックする必要があります。 よって建築家や施工者には決して「優しい」建築ではないのですが・・・

"Soft" is an adjective representing the supple nature of a thing. Turning point, it means that people's temperament and attitude are calm and hard. Movement of people and animals, streams of rivers and winds are not straight lines, they draw curves. For such fluid movement, it seems that people feel softness and kindness, and curved expression matches that feeling. There is a reason for the shape of architecture that has reached that shape. Using curved surfaces to express "soft" is not a mistake. I think that things that are functionally superior will be visually beautiful and meaningful. In the case of In order to realize a curved surface, it is necessary to check the four items of structure, modeling, space and environment in detail. So it is never a "gentle" architecture for architects and constructors ...

CASE 12(宇都宮市/20代)
【左】:アプローチのある、北側の外観 【右上】:完成間近の平屋住宅、南外観 【右下】:リビングのイメージスケッチ
長いアプローチやアートのような玄関、造作家具も豊富なリビング、と素敵な空間が点在
ANSWER 12

お二人ともアグリカルチャーに関わる仕事をされており日々忙しく過ごされています。
ハウスメーカーを巡りながら自分達らしい家とはどんなものなのか、を探しはじめている時にDIPのデザインに出会い、と共に佐山の知識や経験、希望に対し回答してくれる引出しの多様さに設計を依頼したとの事。完成間近の家を見ての感想は、俊介さん曰く、「自分たちが想い描いた空間で過ごすことは心が豊かになる」とのこと。敦子さんも「家をきっかけに新しい出会いが楽しみ。没個性にならない、新しい自分が見つけられる楽しさがある」とお話されています。写真の家は2017年5月末に完成予定。長いアプローチやアートのような玄関、造作家具も豊富なリビング、と素敵な空間が点在しています。大金様ご夫妻の新たな人生の旅が始まります。大金様、家についてお困りのことがあればいつでもDIPにお話しください。

CASE 13(宇都宮市/ご家族)
「都会的でありながら歴史を感じられる街並みに住みたい。」この夢を叶えた斉藤ご夫妻
ANSWER 13

今回は宇都宮市在住の斉藤英達さん、奥様の薫さん、建くん、隣くん、ご家族です。2017年春、竣工。

「都会的でありながら歴史を感じられる街並みに住みたい。」この夢を叶えた斉藤ご夫妻。市中心部の城址公園から徒歩1分もかからない場所に家は有ります。デパート、病院、役所、駅、保育園など歩いて何処にでも行けるので自然と家族での散歩が多くなり親子や夫婦の絆が強まったそうです。住宅密集地ですが2階リビングから続くオープンテラスやハイサイドサッシュにより一日中明るく、さらに「奥行きのあるLDKで過ごす子供の成長が楽しみ」と、話す奥様の笑顔が素敵でした。

CASE 14(宇都宮市/25歳 会社員)
【A】:アートのある100年住宅 【B】:森の見える家 【C】:優しい平屋 【D】:北参道の家 【E】:寛ぎ・知性・機能美・愛な家
玄関は家の顔だと思うし住む人の雰囲気が現れる場所だと思います。どんな風につくればよいのですか・・?
ANSWER 14

玄関扉までのアプローチを長めにデザインすると良いと思います。
私は洗練されていて奥ゆかしいアプローチが好きなので、敷地の大きさや駐車場の計画を上手く設計して玄関扉までの動線を確保するようにしています。
長さがとれない場合には公道から玄関扉が見えづらい工夫をしたりします。そうすると味のある玄関ゾーンができます。

CASE 15(宇都宮市/30歳 主婦)
【1】:庫や(那須塩原市) 【2】:星を見たり、お互いを見つめたりする、家(宇都宮市) 【3】【4】【5】:蔵の街スキップハウス(栃木市)
素敵な平屋に住んでみたいと想いをめぐらせています。軒を深く出したいのですがどんなデザインが有りますか?
ANSWER 15

デザインの前に深い軒があることによるメリットをお話すると、三つ理由があります。
①外壁の保護
②陽射しの調整
③雨除け

最近の外壁材は性能が向上していますがガルバリウム鋼板も軒がなかったり選定を間違えると色褪せしたりします。
陽射し調整は夏に影をつくり冬は日射を室内まで取り込めます。 室内と室外の中間領域的な空間が家の価値観を上げ、より住まいやすい家になるでしょう。軒のデザインは建物全体のプロポーションと住まう方のライフスタイルで決めてゆきます。写真1は無機質なコンクリートに合わせ軒先をシャープにし、写真2は深い軒を柱で支えテーブルや椅子も置けるようにしました。写真3,4,5は外からの視線を遮り、プライバシーを確保するために構造を工夫し、1.8mも軒を出しています。

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