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吹き抜けリビングをのぞむ家づくり – DIPの実例5選 –
2023年12月10日
解放感あふれる吹き抜けリビングは、誰もが一度はあこがれる存在。
「あこがれるけれど、いざとなると躊躇する」ことも少なくありません。
そこで今回は、吹き抜けリビングの魅力について、DIP建築都市設計事務所代表の佐山氏にお話を聞きました。
1.吹き抜けリビングがもたらす「光・開放感・つながり」
1-1. 平屋こそ吹き抜けリビングを
居心地のいい吹き抜けリビングとは、どのようなものでしょうか?
「最近は平屋住宅に吹き抜けリビングを提案することが多いですね。森にひらく平屋・Birdsong House NASUは、光あふれる快適な平屋の吹き抜けリビングルームです。DIPでは設計の際に光・風・プライバシーを大切にしています。上の画像のように窓から美しい森が眺められる立地であれば、平屋に吹き抜けを作り、高い位置に窓を設置して、心地よい日差しと眺望を楽しめるようにプランします」
「吹き抜けリビングは、リビングルーム全体の広さや形との兼ね合いが大切です。天井高さは4〜5mにすると立位姿勢でも、心地よく感じます」と佐山氏。
1-2. 上下階をつなぎ、気配を感じる吹き抜けリビング
デッキからキッチン・ロフトスペースを眺める
フリースペースから2階リビングをながめる
吹き抜けリビングで、上下階をつなぐ場合のポイントはどのようなことしょうか?
「吹き抜けリビングのよい点は、上の階と下の階のつながりがよくなることです。リビングにいながら上の階の気配を感じることができます。森のみえる家は10年前にDIPで新築した際に『お子さまが成長する10年後にはキッチンの上にお子さまたちが自由に遊べるセカンドリビング的なスペースを作ろうと、あらかじめリノベーションを見越して計画した住まいです」
キッチンにいても、子どもたちの気配が感じられ、LDKとしての一体感は損なわずに、そして眺望のいいリビングルームの雰囲気も邪魔せずに新たな空間をつくることができました。上階のスペースも、下のリビングルームもそれぞれ居心地のいい吹き抜けリビングです。
1-3. 吹き抜けリビングに適した冷暖房設備を計画する
吹き抜けリビングは寒いのでは?と心配する人もいるようですが、いかがでしょうか。
「かつては、吹き抜けリビングは冬寒く夏暑いとか、声や物音が響きやすいなどのマイナスイメージがありましたが、住宅の高気密高断熱化が進み、適切な冷暖房設備を使えば、年間を通して快適な環境を維持できるようになりました。寛ぎ+知性+機能美+愛の家のように、地中熱を利用した換気システムとシーリングファンを組み合わせて、室内の空気が常に循環して年間を通じて快適に過ごしていらっしゃるケースもあります。DIPでは、吹き抜けのサイズなど、それぞれの室内の状況に合った、床暖房などの冷暖房設備を提案します」
2.個性が光るDIP流 吹き抜けリビング実例
個性豊かな、DIPの吹き抜けリビングの施工実例をご紹介します。
2-1. ほっこりくつろぐ円型吹き抜けリビング
「寛ぎ+知性+機能美+愛の家は、終の棲家として計画された住まいです。広々としたLDKの一隅に、図書館のような智の空間としてスパイラル状の2.5層の吹き抜け空間をつくりました。本に囲まれた『智の空間』では、塔の中にいるような包み込まれる居心地の良さを楽しんでいただいています」
2-2.平屋に設けた吹き抜けリビング
「勾配天井の高所の窓から届く自然採光が心地よい、平屋の吹き抜けリビングです。壁を美しく彩るようにダウンライトの配置を計算して、夜は落ち着いた空間に。DIPが大切にしている素材・光・プロポーションを考えた美しく、くつろげる吹き抜けリビングです」
2-3.1階と2階を心地よくつなぐ、吹き抜けリビング
「屋敷森の家では、薪ストーブのあるリビングは天井高5m以上の吹き抜けリビングに、ダイニングスペースは天井高を低く抑えて、空間にメリハリをつけています。DIPでは、リビング全てを吹き抜けにすることは珍しく、屋敷森の家では、薪ストーブとソファのあるコーナーを吹き抜けにしています。天井高を変えることによって、室内には自然な陰影が生まれ、森の中で暮らしているような、気持ちのいいLDKです」
2-4.吹き抜け部分の絶妙なバランスが心地よい吹き抜けリビング
「LDKの一部を吹き抜けにして、薪ストーブを置いています。キッチン部分は天井高を抑え、メリハリのあるLDKに。DIPではLDKの形、窓からの眺望などを考えて、LDKの一部を吹き抜けにします。立位姿勢と、着座姿勢では人間が心地よく感じる天井高さが異なるため、ダイニングテーブルやソファの配置を考えて、ソファや椅子に座った時の眺めなどを考えながら、心地よく感じる吹き抜けのバランスを検討します」(佐山氏)
2-5.美しい窓割が印象的な吹き抜けリビング
都内から那須に移住したご夫妻の新居は、緑あふれる300坪の広大な敷地に建つ平屋住宅。周囲の視線を気にすることなく豊かな自然を楽しめる環境です。ゆるやかな勾配天井に合わせた、窓割の美しい吹き抜けリビングです。
「ハイサイドの窓からさしこむ自然光によって、開放的な吹き抜けリビングになりました。ソファに座った時に天井高の高い部分と低い部分が同時に視線に入ってくるように配置を考えて、居心地のいい吹き抜けリビングをデザインしています」
2-6.力強い梁組が魅力の吹き抜けリビング
築50年の住宅のフルリノベーション。屋根瓦や柱、梁は既存を活用しています。リビングダイニングはみごとな梁組をあらわしにしています。
「吹き抜けリビングにリノベーションすることにより、日当たりが良くなり心地よい空間に。慣れ親しんだ家が古民家風の別荘になったようで、建築の奥深さを感じています」とお施主さま。
2-7.陰影がドラマチックな吹き抜けリビング
シェイクスピアの舞台に登場するような、陰影のコントラストが美しい吹き抜けリビング。2階に続く階段にはエレガントな手すりを選び、ヴィンテージ感を出しています。
「リビングから見える庭の桜はまるで絵画のようで、ソファと暖炉と調和し馴染んでいます。春は一面の桜に心打たれ、夏の緑に四季の流れを感じ、冬はソファに座り暖炉の前でウイスキーを楽しむ。家で過ごす時間が何よりの贅沢になっています」というお施主さまの言葉が印象的な吹き抜けリビングです。
2-8.ロングシャンデリアが煌めく吹き抜けリビング
圧倒的な存在感を放つロングシャンデリアは、天上高5メートル前後の吹き抜けリビングでその魅力を発揮します。高さを活かした重厚なゴシック様式の吹き抜けリビングルームの事例です。
お施主さまは、計画段階からロングシャンデリアにふさわしい空間を希望されていました。吹き抜けリビングは、住む人のステータスを感じる空間としても機能します。
3.心地良い吹き抜けリビングのある住まいで、自分らしく暮らす
DIP建築都市設計事務所は、栃木県宇都宮エリアを拠点に「Identityのある住まい」づくりを20年以上にわたり手がけ、これまでに2,300軒の住宅建築に携わってきました。
DIP(Dream Identity Partner)という名称は、自分らしい住まいの夢を実現するためのパートナーという私たちの理念を言葉にしたものです。
住まいによって、住衣食+αのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)で心身を満たすことがDIPの目標です。
新築から10年の節目で、吹き抜けリビングをつくった「森の住まい」のように、DIPでは、ライフスタイルの変化に合わせた、住まいのリノベーション計画を織り込んだ家づくりを提案しています。
住まいづくりについてのご相談は、DIP建築都市設計事務所におまかせください。
- 監修
佐山 利光さん
株式会社DIP建築都市設計事務所 代表取締役。 一級建築士。
事務所名DIPの由来は、D(Dream お客様の夢)I(Identity)P(Partner)〜それぞれのお客様の住まいに対する夢を実現するパートナー〜という企業理念による。
建築家の作品ではなく「その人らしい家づくり」を大切にして、常にお客様によりそった住宅・店舗づくりを提案している。
創業以来、住宅および店舗合わせて2,300棟以上の新築・リノベーションプランに「お客様のIdentity」を投影した建築を手がけている。
●ライター
藤江 薫
二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター。電鉄会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」として、7年間で1,000組以上の住まいの進路相談を担当。不動産購入・売却・新築・建て替え・リフォーム・住みかえなど、問題解決のために、さまざまな選択肢を提案。セルフビルドの自宅でバードハウスを製作している。